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〔焦点〕ドル売り再び活発化、トランプ政策含め下押し材料相次ぐ

ロイターJan 27, 2026 2:07 AM

Amanda Cooper Dhara Ranasinghe Samuel Indyk

- 2026年早々からドルが再び猛烈に売られている。背後にはさまざまな要因があり、トランプ米政権がドル安を望んでいるように見えるのもその一つだ。このため投資家は、ドルは値動きが安定する局面に入るとの想定を見直さざるを得なくなった。

26日までの3営業日の主要通貨に対するドル指数=USDの下落率は、トランプ大統領が相互関税を発表してドル資産が急落した25年4月以来の大きさになろうとしている。

25年全体でも、トランプ氏の貿易・外交面での一貫しない政策や、同氏の「口撃」による米連邦準備理事会(FRB)の独立性懸念、米財政支出大幅拡大などの影響で、ドル指数は10%弱の下落となった。

そして26年に入り、ドルはユーロ、ポンド、スイスフランなどに対してまだアンダーパフォームしつつある。

<出そろうドル安要因>

6000億ドルを超える資産を運用するプリンシパル・アセット・マネジメントのチーフ・グローバル・ストラテジスト、シーマ・シャー氏は「多くの(ドル安)要因が出そろっている。今が『米国売り』とは思わないが(ドル安を裏付ける)ファンダメンタルズが、予想以上の速さで一堂に会しつつある」と指摘した。

今月だけ見ても、トランプ氏はデンマーク自治領グリーンランド領有の意向をちらつかせつつ、これに反対する欧州8カ国への追加関税を示唆したほか、パウエルFRB議長への刑事捜査に動き、ベネズエラに対する軍事作戦を監督。24日にはカナダに事実上の禁輸措置を発動すると脅した。

トランプ氏はグリーンランド問題で欧州8カ国への追加関税を取り下げ、市場はベネズエラ攻撃を何とか消化したものの、これらの地政学的環境は緊迫したままだ。

ボラティリティー指標は引き続き高水準で推移し、日本国債の大規模な売りが米国債に波及しかねない点を含めて債券市場の地合いも脆弱。金は連日の最高値更新で、投資家がドルや米国債に代わる安全資産を求めている様子が読み取れる。

米国の内政面でも、トランプ政権による強権的な不法移民取り締まりによって今月2人の市民が当局に射殺され、抗議の声が高まって連邦政府機関が再び閉鎖されかねない事態になっている。

ポトマック・リバー・キャピタルのマーク・スピネル最高投資責任者は「政府閉鎖の恐れがあることは、ドルの下押し圧力を加速させ、米国への投資再考やドル保有に関するヘッジに動く理由を増やしている」と説明した。

さらに他の主要中銀が現状維持ないし利上げに踏み切る可能性さえある中で、FRBが年内に少なくとも2回利下げすると予想されている。

これだけでも投資家が金利上昇局面にある通貨や国に資金を振り向ける可能性があるという意味で、ドルの魅力低下をもたらす要素と言える。

パウエル氏は5月にFRB議長を退任する予定。次期議長レースでは、予測市場プラットフォームで現在確率50%と見込まれるのがブラックロック幹部のリック・リーダー氏で、トランプ氏と同じく低金利を提唱しているため、一段のドル安につながっている。

1週間前のリーダー氏の議長就任確率は10%未満だった。

<米国から資金分散>

一方、トランプ氏が2期目の大統領に就任して以降の米国株(S&P総合500種).SPXの上昇率は約15%で、韓国株.KS11の95%、日経平均株価(225種).N225の40%、中国株.CSI300の30%弱に比べて低調だ。

大和証券キャピタル・マーケッツのエコノミスト、クリス・シクルナ氏は「ぎりぎりのところでは、資産運用担当者は米国からの資金分散を続けることに積極的だ。多くの担当者は、これまで米国市場へのオーバーウエートが行き過ぎだったか、行き過ぎと感じていたのは間違いない」と述べた。

野村証券のG10為替戦略責任者を務めるドミニク・バニング氏は「投資家は、自分たちのドル資産比率について懸念を強めつつある。25年のドル下落は、成長鈍化といった循環的な要素に起因する側面が大きかった」と解説した。

その上で「(今年)私が感じる違いは、米国が採用しようとしている政策が、関税による経済的なものというよりも、対立的で地政学的な性質を帯びている面がはるかに強いという点にある」と懸念を示した。

<協調介入の可能性>

そうした中で23日には、日銀がニューヨーク連銀とともにドル/円のレートチェックを行ったとうわさされ、15年ぶりの日米協調介入につながる可能性が突如浮上した。

トランプ氏はかねてより、対米貿易黒字が大きいアジア諸国などを念頭に、貿易不均衡是正には関税が必要だと訴えてきた。

ただ円JPY=は足元の反発後でも、なお過去1年の対ドル下落率が13%前後に達しており、日本製品の輸出競争力を高めることで関税の効果が相殺される形になる。

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