
Hannah Lang
[5日 ロイター] - 暗号資産(仮想通貨)の急落を受け、仮想通貨ビットコインなどのデジタル資産を中核的に保有・運用する「デジタル・アセット・トレジャリー(DAT)」と呼ばれる財務戦略を採用した企業の株価が軒並み値下がりしている。
2025年は仮想通貨の上昇期待から、DAT採用の上場企業が増加し、その多くの株価が押し上げられた。
背景にはトランプ米大統領の仮想通貨普及を後押しする姿勢や、ソフトウエア企業からビットコインを財務基盤とするDAT企業に転じて成功を収めた富豪マイケル・セーラー氏率いるストラテジーMSTR.Oの成功があった。
しかし足元では人工知能(AI)関連企業の価値を巡る疑念や、米連邦準備理事会(FRB)の金融緩和路線に対する不透明感でリスク資産が圧迫され、ビットコインは24年11月以来の安値に沈んだため、DAT企業の株価も苦境に陥った。
ビットコインは年初来で20%近く下落し、直近ではトランプ氏が2期目の大統領に就任して以来の値上がり分が帳消しとなって、7万ドルの節目も割り込んでいる。
コイン・ビューローの共同創業者兼投資アナリスト、ニック・パックリン氏は「ビットコインが心理的節目の7万ドルを下回って下げ続けるとともに、仮想通貨市場は全面的な投げ売りモードになっているのは間違いない。以前のサイクルが手掛かりになるとすれば、この動きは短期的な調整ではなく(新たな局面への)移行で、数週間ではなく数カ月かかるのが普通だ」と述べた。
こうした中で、25年7月に457ドルだったストラテジーの株価は5日に一時111.27ドルまで売り込まれ、24年8月以来1年半ぶりの安値を記録した。
ビットコイン保有企業では英国のウェブ・カンパニーSWC.Lが約18%安、ナカモト・インクNAKA.Oは9%安、日本のメタプラネット3350.Tは7%超安だった。
機関投資家は仮想通貨などのデジタル資産を直接購入できるが、DAT企業はレバレッジ効果による収益機会を提供し、より慎重な投資家が規制対象の上場企業を通じて仮想通貨へのエクスポージャーを獲得できるようにする。
ただ仮想通貨保有企業の株価に対する持続的な下押し圧力は、これらの企業が追加資本を調達してより多くの仮想通貨を購入する能力を低下させる恐れがある。