
Chibuike Oguh Danilo Masoni Medha Singh
[4日 ロイター] - 4日のニューヨーク株式市場では、人工知能(AI)の普及による先行き懸念から前日に4%の大幅下落となったS&P総合500種ソフトウエア・サービス指数.SPLRCISが0.73%続落した。
この日で6営業日連続の下落となり、1月28日以降約8300億ドルの時価総額が消失したが、今後の行方はなお不明確で、株価は不安定な動きをたどりそうだ。
同指数はこの数カ月間、AIによる破壊的な影響が出ることを懸念する投資家からの圧力を受けてきた。アンソロピックが法務・営業・マーケティング・データ分析といった分野の業務を自動化する「クロード・コワーク」エージェント向けプラグインを発表したことを受け、大規模言語モデル(LLM)が「アプリケーション層」にも浸透するとの見方からソフトウエア銘柄が売り浴びせられた。
AI開発にかかる巨額投資の資金を拠出するため、ソフトウエア企業は企業向けアプリケーション層の収益拡大を目指してきた。アプリケーション層がAIに置き換えられた場合、金融や法務、コーディングに至るまで幅広い業界に壊滅的打撃を与えると投資家は懸念する。
投資運用会社クイルター・シェビオット・インベストメント・マネジメントのテクノロジー調査責任者、ベン・バリンジャー氏は「特にセキュリティーやデータの所有・利用に関する懸念を考慮すると、AIエージェントがソフトウエア企業を破壊する段階にはまだ至っていない」としながらも、今後はさらなる変動が起こり得るとして「変動期には人々はまず行動を起こし、後で疑問を投げかける傾向がある」と語った。
一方、ソフトウエア銘柄の暴落は資産運用会社にも波及し、3日はアポロAPO.N、アレスARES.N、ブラックストーンBX.N、ブルーオウルOWL.N、カーライルCG.O、KKRKKR.Nなどの株価も3─11%下落した。
オッペンハイマーのアナリストはメモで、「ソフトウエアセクターの低迷がオルタナティブ資産運用会社の信用問題につながる」との懸念が背景にあると指摘。ただ、これら企業の株価は4日に0.2─5%反発した。
ソフトウエア株暴落は市場全体にも打撃を与えており、ベルカーブ・トレーディングのチーフ市場ストラテジスト、ビル・ストラズーロ氏は「この暴落にはまだ続く余地があると思う。市場全体が頭打ちになりつつあり、上昇よりも下降の可能性の方が大きい」と語った。
クロードのようなAIモデルによりルーティン業務の自動化が進むにつれ、ソフトウエアの存在は特に脆弱になるとの見方もあるが、一方でウェルス・コンサルティング・グループのタリー・レガー氏は「ソフトウエア株の売り浴びせは行き過ぎで、その論説は正しくないだろう」と指摘。AIツールの進化で低価格で優れたソフトウエアを開発することが容易になり、それがソフト企業の利益を改善するとの見方を示した。