
Lisa Baertlein Abhinav Parmar
[18日 ロイター] - 米物流大手フェデックスFDX.Nは18日、米同業ユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)の「MD-11」貨物機の墜落事故を受け、同型機の運航が禁止されたため、11─12月に最大1億7500万ドルの費用が発生するとの見通しを示した。
代わりのトラックや貨物機を手配する費用がかかるという。
フェデックスのジョン・ディートリッヒ最高財務責任者(CFO)が決算会見で明らかにした。
第3・四半期(12─2月)は前期比で減益となる見通し。MD-11の運航停止のほか、来年予定しているフェデックス・フレイト部門の分割に関連する費用などが影響するとしている。
フェデックス株は時間外取引で1%弱上昇し、288.70ドルで取引を終えた。
フェデックスとUPSUPS.Nは、11月末から1月初旬にかけてのホリデー商戦に伴い、配送量がピークに達している。この時期の1日平均取扱量は通常の2倍に達することもある。
ケンタッキー州ルイビルで11月4日に起きたUPSのMD-11墜落事故では14人が死亡。連邦航空局(FAA)は検査を実施する間、同型機の運航を全面的に禁止すると発表した。nL6N3WL000
フェデックスが運航していたMD-11は28機。
ディートリッヒ氏によると、11月に発生した運航停止関連の費用は2500万ドル。12月は約1億5000万ドルに増加する見込みという。
同氏は「外部からの輸送力の調達コストが年間で最も高い時期に、保有機が運航停止になった」と発言。現時点では第4・四半期(3─5月)にMD-11の運航が再開されると見込んでいるという。
フェデックスが18日発表した第2・四半期(9─11月)決算は利益と売上高が市場予想を上回った。ピークシーズンの価格設定やコスト削減の取り組みが配送量の減少を相殺し、通期利益見通しの下限を上方修正した。
第2・四半期の調整後利益は11億4000万ドル(1株当たり4.82ドル)で、前年同期の9億9000万ドル(同4.05ドル)から増加。LSEGがまとめたアナリストの1株利益予想は4.11ドルだった。
フェデックスは2023年から複数年にわたるコスト見直しに取り組み、事業所の閉鎖や陸上部門とエクスプレス部門の統合などにより数十億ドルの削減を進めてきた。今年度はさらに10億ドルの削減を目指している。
ラジ・スブラマニアム最高経営責任者(CEO)は「非常に厳しい外部環境を乗り切りながら、成長戦略を成功させ、ネットワークの変革を進めた」と述べた。
同社はエクスプレス部門の業績について、世界的な通商政策の変更やMD11の運航停止による影響で一部相殺されたものの、米国内および国際速達小包の利益率向上で第2・四半期に改善したと述べた。
一方、来年6月1日に分割を予定するフェデックス・フレイトの営業業績は配送量の減少と賃金の上昇により減少した。
通期の1株利益見通しは17.80─19.00ドルとし、従来の17.20─19.00ドルからレンジの下限を引き上げた。新たな見通しの中央値はアナリストの平均予想(18.22ドル)も上回った。
通期の売上高についても前年比の伸び率見通しを従来の4─6%から5─6%に引き上げた。
第2・四半期の売上高は235億ドルと予想の227億9000万ドルを上回った。