ビットコイン大量保有の米ストラテジー、通期予想一転赤字に

Pritam Biswas　Hannah Lang

［１日　ロイター］ - 暗号資産（仮想通貨）のビットコインを戦略的財務資産として大量に保有している米ストラテジーMSTR.Oは１日、ビットコイン価格の下落を理由に通期純損益予想を黒字から赤字に下方修正した。

通期純損益について、最悪なら５５億ドルの赤字と予想。１０月３０日に発表した通期純損益見通しでは２４０億ドルの黒字、年末時点のビットコイン価格を１５万ドルと想定していた。

投資家のリスク回避姿勢を背景に仮想通貨市場が不安定化し、ストラテジーのように仮想通貨やトークンを資産として保有する企業の株価は重圧を受けている。

ストラテジーが保有するビットコイン総数は６５万ＢＴＣで、ビットコイン予定発行上限の約３．１％に相当する。

ビットコインは１日に売りが加速し、９万ドルの節目を割り込んだ。１１月の下落幅は１万８０００ドル超と月間では２０２１年半ば以来の大きさを記録した。

ＩＧグループのチーフ市場アナリスト、クリス・ボーチャンプ氏は「株価が１年ぶりの安値に沈む中で、ビットコインの不振はストラテジーにとって壊滅的だ」と指摘。ビットコインはまだ１１月の安値より高い水準にとどまっているものの、１日午後になって売りが強まったように見えると述べた。

ストラテジーは、優先株配当と社債利払いの原資として１４億４０００万ドルの準備金を積み立てたと明らかにした。

マイケル・セイラー創業者兼執行会長は、準備金で向こう２年分の配当金がカバーされると述べ、短期的な市場のボラティリティーを乗り切るためのより適切な態勢を築けると説明した。