
Arsheeya Bajwa
[19日 ロイター] - 米半導体大手エヌビディアNVDA.Oは19日、第4・四半期(2025年11月─26年1月)の売上高が650億ドル(プラスマイナス2%)になるという見通しを示し、市場予想を上回った。人工知能(AI)バブルを巡る懸念が広がる中、クラウドプロバイダーからのAI半導体への需要が急増すると見込んだ。
市場ではAIインフラ拡張に向けた巨額投資により、バリュエーションがファンダメンタルズを上回る評価バブルが生じている可能性への懸念が高まっており、同社の決算が注目されていた。
LSEGのデータによると、アナリスト予想の平均は616億6000万ドル。
決算を受け、エヌビディアの株価は引け後の取引で5%上昇。時価総額が2200億ドル増加した。決算発表前には同社の株価は今月8%近く下落していた。
ジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)は声明で、「ブラックウェルの売り上げは桁外れで、クラウドGPUは完売している」と指摘。「AIのエコシステムは急速に拡大しており、より多くの基盤モデルメーカー、より多くのAI新興企業が、より多くの業界、より多くの国に広がっている。AIはあらゆる場所に進出し、あらゆることを一度に行っている」と語った。
フアン氏はアナリストとの電話会見で、「AIバブルについて多くの議論がある。われわれの視点からは全く異なる状況が見える」と述べた。
第3・四半期の売上高は62%増加し、7四半期ぶりに伸びが加速した。
売上高の大半を占めるデータセンター部門の売上高は512億ドルに増加。LSEGのデータによると、アナリスト予想は486億2000万ドルだった。
しかし一部のアナリストは、今回の決算はAIバブル懸念を完全に払拭するには十分ではない可能性があると指摘する。
スタイフェルのアナリスト、ルーベン・ロイ氏は「AIインフラ支出の伸びが持続可能ではないという懸念は今後も衰えることはないだろう」と語った。
エヌビディアがコントロールできない要因が成長を妨げる可能性もある。
eマーケターのアナリスト、ジェイコブ・ボーン氏は「GPUの需要は引き続き非常に高いが、ハイパースケーラがこの能力を実際に十分な速度で利用できるかどうかが投資家の焦点となっている。問題は電力、土地、グリッドアクセスにおける物理的なボトルネックが2026年以降、この需要を早期に収益拡大につなげる妨げになるかだ」と語った。
エヌビディアのビジネスは第3・四半期に集中化がさらに進み、4社の顧客が売上高の61%を占めた。この割合は第2・四半期は56%だった。
自社製半導体をクラウド顧客からレンタルバックする戦略への投資も急増させており、契約総額は260億ドルと、前四半期の126億ドルの2倍以上に達した。
それでも、アナリストや投資家はエヌビディアの業績を支えるAI半導体の基調的な需要は引き続き堅調だとみている。
エヌビディアは第4・四半期の調整後売上総利益率について、75%プラスマイナス50ベーシスポイント(bp)を見込んでいる。市場予想は74.5%。