
[23日 ロイター] - 米半導体大手インテルINTC.Oが23日発表した3・四半期決算は1株利益が予想を上回った。リップブー・タン最高経営責任者(CEO)の思い切ったコスト削減策が奏功し、巨額投資を進める中で財務体質が改善した。
発表を受け、同社株は時間外取引で約7%上昇した。
第3・四半期の調整後1株利益は0.23ドルで、LSEGがまとめた予想の0.01ドルを上回った。調整後の粗利益率は40%。予想の35.7%を上回った。
同社は7月、今年末までに人員を前年比で2割以上削減する方針を表明した。
同社には、エヌビディアNVDA.O、ソフトバンクグループ9984.T、米政府が相次いで出資。資金流入による財務安定化への期待が高まっている。
デイブ・ジンズナー最高財務責任者(CFO)はロイターとのインタビューで、第3・四半期にソフトバンクグループから資金を受領したが、エヌビディアからはまだ資金を受け取っていなと述べた。
タン氏は決算説明会で、新設した中央エンジニアリング・グループが自社設計チップの開発を合理化するとともに、外部顧客向けのカスタム設計チップも提供すると述べた。
ジンズナー氏によると、第3・四半期はインテル製半導体の需要が好調で、供給がタイトになっている。データセンター運営会社が、高度な人工知能(AI)半導体の導入に伴い、CPU(中央処理装置)のアップグレードが必要と判断したことが一因という。
ジンズナー氏は「現時点で出荷は需要に追いついていない。これは嬉しい悲鳴と言えるだろう」と述べた。
一方、18A製造プロセスについては、歩留まりが「適切なレベルの利益率を達成するために必要な水準に達していない」とし「業界で許容される水準」に達するのは2027年以降になる可能性が高いと述べた。
第4・四半期の売上高見通しは市場予想に届かなかった。
第4・四半期の売上高見通しは128億─138億ドル。中央値の133億ドルは、市場予想の133億7000万ドルを小幅に下回った。
ジンズナー氏は25年の設備投資を270億ドルとし、24年の170億ドルから大幅に増やす方針を示した。