
[シンガポール/ロンドン 17日 ロイター] - 欧州とアジアの金融株は17日、前日の米地銀株の急落を受けて下落した。最近の米自動車関連企業の経営破綻を背景に、金融機関の与信基準への懸念が再燃している。
欧州の銀行株.SX7Pは序盤の取引で2.6%下落している。ドイツ銀行DBKGn.DEは5.8%安、バークレイズBARC.Lは5.0%安、ソシエテ・ジェネラルSOGN.PAは4.35%安となった。フランクフルト市場に上場しているシティグループC.NTRVC.Fも薄商いの中で5.5%下落した。
東京市場では銀行株.IBNKS.Tと保険株.IINSU.Tが総じて軟調。東京海上8766.T、みずほフィナンシャルグループ8411.T、三菱UFJフィナンシャル・グループ8306.Tはいずれも3%近く下落した。
シンガポールのDBSグループDBSM.SIは約1%安、オーストラリアの保険大手QBEQBE.AXは9%安となった。
米銀行のザイオンズ・バンコープZION.Oはカリフォルニア州の商業・産業向け融資2件で第3・四半期に5000万ドルの損失を計上すると明らかにした。ウエスタン・アライアンスWAL.Nは詐欺行為を働いたカンター・グループを相手取って提訴すると発表した。これを受け前日の米株式市場で地銀株.KRXが6%急落した。
キャピタル・ドット・コムのシニア金融アナリスト、カイル・ロッダ氏は「不良債権の規模は大きいものの、それ自体がシステム全体にリスクをもたらすとは考えにくい」と述べた。
同氏は米地銀2行の問題の根本要因は緩い与信基準と詐欺にあると分析。こうした行為が広がっており、さらなるデフォルト(債務不履行)につながるとの懸念をあおっていると指摘した。