
Ernest Scheyder Jarrett Renshaw
[23日 ロイター] - トランプ政権は米西部ネバダ州のタッカーパス鉱山でリチウム鉱床の開発に携わるカナダの鉱山会社リチウム・アメリカズLAC.Nについて、最大10%の株式取得を目指している。事情に詳しい2人が23日、ロイターに語った。
リチウム・アメリカズは米エネルギー省から22億6000万ドルの融資を受ける予定だった。リチウム価格が中国の過剰生産のため低迷しており、トランプ政権が返済能力を巡る懸念から融資条件の再交渉を求めたという。
タッカーパス鉱山は2028年に稼働を開始する予定で、西半球最大のリチウム供給源となる見込みだ。既に600人以上の作業員がネバダ州とオレゴン州の州境から約40キロ南に位置する建設現場で働いている。
タッカーパス鉱山は電気自動車(EV)用や電子機器用の電池製造に利用されるリチウムの国内供給網を構築する上で要になるとみなされている。米国はリチウムの「国内生産の拡大」を長年推進している。
ホワイトハウス関係者はロイターに「トランプ大統領はこの開発事業を支持している。事業を成功させたいがっているし、納税者にとって公正であることも望んでいる」と語った。
米国のリチウム生産は年間5000トン未満にとどまる。タッカーパス鉱山の第1期は年間4万トンの電池用炭酸リチウムを生産する見込みで、最大80万台の電気自動車に対応できるとされる。
なお、米政府は当初の融資契約の一環として、開発事業が遅延したり、大幅なコスト超過が発生する場合は、政府が事業を引き継ぐことができる条項を既に確保している。