Jesús Aguado
[マドリード 8日 ロイター] - スペインの銀行バンコ・ビルバオ・ビスカヤ・アルヘンタリア銀行(BBVA)BBVA.MCは8日、同業サバデル銀行SABE.MCへの敵対的株式公開買い付け(TOB)に乗り出した。発行済み株式の過半数に当たる50.01%の取得を目指しており、成立した場合の買収額は148億ユーロ(約173億4000万米ドル)。
両行が合併した場合の資産規模は1兆ユーロ規模となり、カイシャバンクCABK.MCに次いでスペインの銀行で2位となる。スペイン政府は買収に反対しており、成立した場合でも少なくとも3年間は合併を阻止するための異例の措置を講じた。
TOBの応募期間は10月7日までとなり、応募結果は10月14日までに判明する見込みだ。
BBVAとサバテルの株価は8日1221GMT時点で前週末より約0.6%上昇した。
ただ、1株当たりの買い付け価格は現在のサバデルの株価を約9%下回っており、一部のアナリストらはBBVAが買収額の引き上げを迫られると予想している。BBVAは今月5日、買い付け価格の変更予定はないと表明した。法的には、応募期間終了5日前までは買い付け価格を引き上げることが可能だ。
バークレイズのアナリストらは8日の顧客向けのメモで「特に個人投資家は、市場価格を下回る(BBVAの)提案を魅力的とは見なさないだろう」と分析した。
スペインの証券会社JBキャピタルは、BBVAが「応募総数で目標の50.01%を達成したいのであれば、買い付け価格を引き上げる必要がある」とし、買い付け価格を最大で34%引き上げてもBBVAが目標とする9億ユーロのシナジー(相乗)効果の85%を達成できるとの試算を示した。
エクサーヌBNPパリバも、現在の買収条件ではBBVAがサバデルの株主、特に約半数を占める個人投資家を説得するのは「かなり困難」になると指摘した。