Akash Sriram
[5日 ロイター] - 米電気自動車(EV)大手テスラTSLA.Oの取締役会は、イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)に対し、約1兆ドルの新たな巨額報酬案を示した。テスラが電気自動車(EV)需要の減速や中国のライバル企業との競争激化、人工知能(AI)分野での成果に対するプレッシャーに直面する中、マスク氏が同社に対して持つ影響力の大きさを浮き彫りにした。
新たな報酬案によると、テスラの時価総額が今後10年間で、現在の約8倍となる8.6兆ドルに達した場合、マスク氏にテスラの株式の最大12%、約1兆0300億ドル相当の株式が付与される。マスク氏は現在、テスラ株の約13%を保有している。
同報酬が全額獲得されれば、マスク氏の保有株式に基づく議決権は大幅に拡大し、ガバナンス(企業統治)と後継者を巡る議論が一層激しくなるとみられる。
取締役会は、同報酬は時価総額および、自動運転タクシー「ロボタクシー」やヒューマノイドロボット(人型ロボット)の量産といった業績上のマイルストーンの両方に連動して段階的に付与されると説明。マスク氏は給与や現金ボーナスを受け取らず、報酬は全て業績に連動する点を強調した。
テスラの株価は午前の取引で約3.0%上昇した。