積極的な投資ファンドであるエリオットが40億ドルを投じてペプシコの「起死回生」を狙い、株価50%上昇を見込む

TradingKey - 世界最大級のアクティビストファンドであるエリオット・マネジメント（Elliott Management）は火曜日、ペプシコに40億ドル相当の株を保有していることを公表し、この飲料大手が戦略的再編を行い、業績の低迷を改善するよう促す計画を明らかにしました。

FactSetのデータによれば、この投資によりエリオットは指数ファンドを除くペプシコの主要なアクティブ投資家トップ5に入ります。同社はペプシコの取締役会に詳細な改革案を提出し、これらの施策を実施すれば株価を少なくとも50%押し上げることができるとしています。

エリオットは書簡で、ペプシコの過去の業績は失望を招いたものの、世界をリードする企業を再生し、株主価値を大いに引き出す歴史的な機会を創出したと述べています。

これはエリオットの一貫した投資スタイルに合致しています。同ファンドは、潜在力はあるが一時的に業績が振るわない企業に改革を促すことに定評があります。これまでにエリオットはホネウェル、スターバックス、サウスウエスト航空、BHPビリトンなどに投資し、ホネウェルの事業分割やスターバックスの新CEO任命、BHPビリトンの石油事業の撤退などの改革を実現してきました。

エリオットは2つの主な改革案を提示しています。まず、ペプシコに対し、競合のコカ・コーラを模倣し、ボトリングネットワークの再フランチャイズ化を求めています。これは所有権を独立した現地ボトラーに戻すことで、運営の複雑さを減らし、各事業がそのコアコンピタンスに集中できるようにし、業績の再加速と財務パフォーマンスの向上を目指すものです。

フランチャイズモデルは、近年コカ・コーラが市場で成功を収めた鍵です。このモデルでは、コカ・コーラが製品開発とブランド構築に専念し、生産や販売はフランチャイズのボトラーに任せることで、コストを削減しつつ製品の品質を管理できます。

Edge Groupの創設者であるジム・オスマン氏は、2017年にコカ・コーラが大規模なボトリング事業再編を行った際、利益率が急上昇したとコメントしています。

さらに、エリオットはペプシコに対し、その膨大な製品ポートフォリオを精査し、非中核およびパフォーマンスが芳しくない資産（特に食品事業）を売却し、投資家により具体的な業績改善計画を提供するよう求めています。

この提案が出された背景には、ペプシコのコア製品の地位が揺らぎ、成長エンジンが圧力にさらされている現状があります。現在、ペプシコのコア製品であるペプシコーラの米国での販売は第4位に落ち込んでいます。以前は成長エンジンだった食品事業も、総収入の約60%を占めていましたが、現在はその勢いが鈍化しています。北米食品事業の売上は2022年末のピーク以降、四半期ごとに減少しています。

ペプシコの一部ディストリビューターは、会社がコアである飲料事業を犠牲にして食品部門に投資していると批判しており、「ブランドがこのような困難な時期に直面している」と述べています。一部の業界関係者は、飲料事業（2024年には収益の約40%を占めると予測）が独立すれば、より良いパフォーマンスを見せる可能性があると考えています。

アクティビストファンドの改革要求に直面して、ペプシコはエリオットの意見を評価するとし、持続可能な成長を促進するための現行の戦略に自信を持っていると表明しました。

エリオットの介入前から、ペプシコはすでに行動を起こしていました。CEOのラモン・ラグアルタ氏は2018年の就任以来、コスト削減のための北米食品事業の工場閉鎖や、効率を高めるための物流配達の統合などを実施しています。

7月に発表された第2四半期の決算報告では、国際市場の力強い成長が北米の弱さを相殺し、業績が予想を上回ったことを示しました。戦略の調整が効果を発揮するにつれ、北米の需要が回復する見込みです。

エリオットがペプシコに投資していることが明らかになると、火曜日の取引時間前に株価は5%以上上昇し、その後も1.1%上昇して150.28ドルで取引を終えました。

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