
[2日 ロイター] - 米食品大手クラフト・ハインツKHC.Oは2日、食料品事業とソース・スプレッド事業の2つの企業に分割すると発表した。2026年後半に完了予定で、2社はいずれも上場を維持する予定。消費者が割高なブランドへの支出を控える中、需要が伸び悩んでいた。
クラフト・ハインツは15年、旧クラフト・フーズとH.J.ハインツが統合して設立。コスト削減とブランドの世界的な成長を目指していた。ただ、戦略通りの成長は達成できず時価総額は約60%下落。株価低迷を受け、クラフト・ハインツは25年4─6月期に93億ドルの減損損失を計上した。
クラフト・ハインツ株27.4%を保有するバークシャー・ハサウェイも8月、保有するクラフト・ハインツ株に関して37億6000万ドルの減損処理に追い込まれた。
クラフト・ハインツのミゲル・パトリシオ会長は「組織構造が複雑化したことで、資本の効果的な配分や優先順位付けによる有望分野での規模拡大が困難となっている」と強調。分割によって「それぞれのブランドの潜在力を引き出すため、経営資源を適切に配分できるようになる」と述べた。
24年の売上高が約104億ドルだった食料品部門はクラフト・ハインツの現CEO、カルロス・エイブラムス・リベラ氏が率いる。売上高約154億ドルのソース・スプレッド事業部門のCEOは未定としている。
今年7月中旬に分割報道が出て以降に約6%上昇している株価は、2日朝の時間外取引でほぼ横ばいで推移した。