米ベーカー・ヒューズ、産業機器のチャートを136億ドルで買収

Tanay Dhumal　David French

[２９日 ロイター] - 米エネルギーサービス会社ベーカー・ヒューズBKR.O は２９日、産業機器などを手がけるチャート・インダストリーズGTLS.Nを負債引き継ぎを含めて現金１３６億ドルで買収すると発表した。買収手続きは２０２６年半ばに完了する見通し。

米国のエネルギー輸出とデジタルインフラの成長が企業や投資家の大きな関心を集める中で、ベーカー・ヒューズは買収により、液化天然ガス（ＬＮＧ）とデータセンターへの供給を通じてＩＴ分野への関与を強めることが可能になる。ベーカー・ヒューズは石油サービス分野を主力としてきた事業構造からの転換を進めており、アハメド・モガル最高財務責任者（ＣＦＯ）は電話会見で「この買収によって当社の主要顧客分野でのサービスを拡充するとともに、金属や鉱業などの高成長市場や戦略的産業分野への当社の関与が拡大することになる」と強調した。

ベーカー・ヒューズはチャート株を１株当たり２１０ドルで買い付け、これは前営業日終値に２２％上乗せした価格となる。ロイターの試算によると、今回の買収ではチャートの時価総額を約９４億４０００万ドルと評価している。

チャートの２９日の株価は前日より１５．８％上昇し、１９８．８０ドルで取引を終了した。一方、ベーカー・ヒューズは１．７％下落した。

ＲＢＣキャピタル・マーケッツのアナリスト、キース・マッキー氏は「ベーカー・ヒューズは今回の取引を通じて業界の多様化推進、アフターサービス収入の増加、利益率向上などの重要な戦略的目標を達成できる可能性がある」と指摘した。

チャートは昨年６月、流量制御システムメーカーのフローサーブFLS.Nと全額株式交換による１９０億ドルの合併でいったん合意した。これに対抗してベーカー・ヒューズがチャートの買収を提案し、チャートの取締役会がベーカー・ヒューズの提案内容の方が「優れている」と評価したのを受け、チャートとフローサーブとの合意は解消されていた。