Nikunj Ohri
[24日 ロイター] - インドの金融犯罪対策庁は、同国の富豪ムケシュ・アンバニ氏の弟で著名実業家であるアニル・アンバニ氏率いるリライアンス・アニル・アンバニ・グループの関連施設35カ所を捜索した。
資金洗浄(マネーロンダリング)と公的資金横領の疑いで捜査している。政府筋が24日、明らかにした。
同庁によると、同グループは2017─19年にイエス銀行YESB.NSから借り入れた300億ルピー(3億5000万ドル)を多数のペーパーカンパニーを通じて不正に流用。融資を受ける前にイエス銀行の関係者に賄賂を渡していた疑いが持たれている。
捜査では、イエス銀行にも融資の承認手続きに重大な違反があったことが判明。具体的には、財務が悪化した企業への融資、不良債権を隠すための不正な融資、財務状況の偽装などに関与していたという。
アニル・アンバニ氏の企業グループでは17年以降、複数の企業が破綻している。
イエス銀行は20年に経営難に陥り、中央銀行が承認した計画に基づき、救済された。三井住友銀行はイエス銀行への20%出資を計画しているが、規制当局の承認はまだ下りていない。
報道を受けて、アニル・アンバニ氏のグループ企業であるリライアンス・インフラストラクチャーRLIN.NSやリライアンス・パワーRPOL.NSの株価は5%急落。各社は今回の捜索について「事業運営や財務に一切影響はない」と説明している。