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COLUMN-〔BREAKINGVIEWS〕予測不能なトランプ政策、市場の期待を裏切り続け投資判断は困難に

ロイターJan 21, 2026 6:14 AM

Stephen Gandel

- トランプ米大統領が自国の優位性を支える世界秩序を壊そうとする状況で、同氏の政策を解釈し、投資収益を得るのはさらに難しくなるだろう。

1年前、トランプ氏が大統領に返り咲くにあたり、株式市場で最も恩恵を受けると期待された業種は刑務所運営会社と化石燃料採掘業者だったが、いずれもこの1年で運用成績が最も悪い業種となった。

第2次トランプ政権発足以来、想定通りに進んだことはほとんどない。米国の関税は多くの人が予見したほどの打撃を与えなかった。

この1年で矯正施設建設業のGEOグループGEO.Nは株式価値の約50%を失い、エネルギー大手のコノコフィリップス COP.Nの株価は8%下落した。

代わりに恩恵を受けたのが巨大IT企業だ。S&P総合500種.SPXの構成銘柄でここ1年の上昇率上位10社のうち7社は人工知能(AI)関連で、ハードディスク製造のウエスタンデジタルWDC.Oがその筆頭となった。

メディア大手ワーナー・ブラザース・ディスカバリー(WBD)WBD.Oも急伸した。現政権が企業の独占に厳しい姿勢を取らない中で繰り広げられた買収合戦のおかげだ。

だがトランプ氏は、企業の合併・買収(M&A)に関してさえも、予測不可能な方法で介入する。USスチールの「黄金株」取得がその好例だ。そのため、他の買収案件も先が見通せない。

米銀行大手も規制緩和への期待から株価が上昇したが、トランプ氏が今月、クレジットカードの金利を10%に制限するよう求めたことで業界は対応に追われている。トランプ氏はJPモルガン・チェースJPM.Nのダイモン最高経営責任者(CEO)と親しいが、トランプ氏は2021年1月6日の米議会議事堂襲撃事件後に自分を冷遇したとして同行を提訴する意向を示しており、関係は再び冷え込むかもしれない。

グリーンランド、ベネズエラ、イラン、そして欧州の同盟国に対する攻撃的な姿勢は最新の地政学的な展開として、一部の投資家をひきつけている。ただ、国連や北大西洋条約機構(NATO)に対抗しようとするトランプ氏の気まぐれな試みが米市場とドルの基軸通貨としての地位を強化した「平和の配当」をどれほど損なうか見極めるのはますます困難になっている。

ゴールドマン・サックスのストラテジストはたとえば、金とともに米国中心の製造業企業や防衛関連企業のような脱グローバル化投資を推奨している。ちょうど1年前に採用された多様な投資戦略と同様に、それらの戦略には健全な論理が存在する。そして必然的に、トランプ氏はそれらの予測の多くを、劇的に裏切ることになるだろう

●背景となるニュース
*S&P総合500種はトランプ氏が2期目の就任式に臨んだ25年1月20日から26年1月16日までに約15%上昇している。

(筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)

免責事項:本サイトで提供する情報は教育・情報提供を目的としたものであり、金融・投資アドバイスとして解釈されるべきではありません。

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