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〔アングル〕米国の対ベネズエラ介入、中南米投資に強気な見方

ロイターJan 9, 2026 4:12 AM

Rodrigo Campos Libby George

- トランプ米大統領がベネズエラとアルゼンチンに対して取った強硬な措置は、重要な選挙イヤーを迎える中南米全体で右傾化をさらに押し進め、投資家が市場重視の改革が進むと期待して海外資金が中南米地域に流入しやすくなりそうだ。

米国が週末にマドゥーロ大統領を排除し、デフォルト状態だったベネズエラ国債は急騰した。一方でトランプ氏が昨年、イデオロギー的に近い同盟者のアルゼンチンのミレイ大統領を支援するため、最大400億ドルの金融支援枠を提供するという賭けに出て、ミレイ氏の政党がアルゼンチンの中間選挙で好成績を収めた。

別の時代であれば、トランプ氏のこうした介入は外国の露骨な内政干渉だとしてより大きな反発を招いたかもしれない。しかし中南米は全ての国が歓迎しているわけでないが、政治全体が右方向へシフトする時代にあって反応は比較的落ち着いており、投資家によると、市場にとって好ましい変化に対する期待が中南米地域の金融資産を押し上げるという。

「中南米は歴史的に物事が波のようにトレンドとして一体で動く傾向がある」とグラマシーの最高投資責任者(CIO)兼マネージング・パートナーであるロバート・コーニグスバーガー氏は語った。「現在の中南米の流れは明らかに左から右に移行している」

こうした認識のために、投資家は財政再建や規制改革が中南米全体で進むとの見方に注目し、投資規模を拡大させることに対する安心感につながっているとコーニグスバーガー氏は述べた。

<地域的なシフト>

投資規模を拡大する動きは政治的な変化が国ごとに起こるよりも相互に強化し合うような形でしばしば起こり、中南米が地域として一体的に動いてきたという見方を反映している。

近年のエクアドル、アルゼンチン、チリの選挙勝利は右派政党への移行が見られ、こうした地域で過去1年間の株式、通貨、債券の上昇を支える要因となっている。

市場はまた、ブラジルやメキシコのような左派の指導者が主導する国でさえも、正統派の金融政策や財政規律を重視する全般的な傾向から恩恵を受けている。

ブラジル・レアルとメキシコ・ペソは2025年に新興国通貨として最も好調な運用成績を示した通貨の一つとなり、コロンビア、ペルー、チリの株式市場も株価上昇率の上位に入った。

RBCブルーベイの新興国市場ストラテジストのグラハム・ストック氏はマドゥーロ大統領の失脚が市場から好意的に受け止められていると述べた。

「どちらかと言えば、中南米がより市場志向の政府にシフトしていくという期待を高めている」とストック氏は語った。

<焦点の選挙>

中南米が昨年、多くの新興国市場よりも運用成績が優れた結果をもたらした後で、投資家は26年にコロンビア、ペルー、そして年後半にブラジルといった混み合った選挙日程を注視している。

ベリスク・メープルクロフトでソブリン分析責任者を務めるアイリーン・ギャビン氏は、コロンビアが3月に議会選、5月に大統領選を控えており、隣国ベネズエラの混乱による影響を特に受ける可能性があると指摘した。

コロンビアの左派のペトロ大統領はトランプ氏と対立し昨年10月に米国の制裁を受けたが、再選に向けて出馬することはできない。

「選挙に対する圧力は右傾化の方向に働き、債券保有者にとって上振れリスクとなる」とギャビン氏は語り、ベネズエラの政情不安定は移民や貿易の流れの変化を通じてペルー、パナマ、キューバにも影響する可能性があるだろうと付け加えた。

4月12日に実施されるペルーの大統領選挙は少なくとも34人の候補者が登録しており、昨年末の世論調査によると有権者のほぼ半数が支持候補を決めていないとされ結果は予断を許さない。

一方、ブラジルは10月の選挙に向けて、ルラ大統領が4期目を目指しており、多くの世論調査で現在首位に立っている。

誰が勝利するにしても、29年1月まで任期が残っているトランプ氏と関係を構築する必要がある。

BCAリサーチのチーフストラテジストのマルコ・パピッチ氏は「米国がこうした国々に圧力をかければかけるほど、彼らは米国の意向に従いやすくなるだろう。その結果、中南米の場合はこれまでよりも市場寄りの政策が進むことになる」と述べた。

シティグループはトランプ氏のベネズエラ作戦に対する否定的な反応が限定的だったと指摘した。

「この行動が短期的に『中南米の旗』の下で結束するという反発を生んでおらず、この動きを歓迎している声が多い」と、シティのドナート・グアリーノ氏はメモ書きで述べ、ベネズエラ関連の債券に引き続き強気だと付け加えた。

<資源採掘企業に恩恵>

一部の左派の大統領でさえも実際、トランプ氏に配慮して取引や譲歩を模索している。コロンビア政府はここ数日、麻薬密輸対策で米政府と協力すると強調している。

「左派の指導者たちはたぶん常に背後を気にしている」とアネックス・ウェルス・マネジメントのチーフ・エコノミック・ストラテジストのブライアン・ジェイコブセン氏は語った。

中南米の各国政府が米国の戦略的な優先課題に適合した投資を呼び込もうとし、インフラ開発や資源採掘に関わる多国籍企業が主に恩恵を受ける可能性が高いだろうとジェイコブセン氏は指摘した。

BCAのパピッチ氏は「中南米の民間部門は負債の圧縮を進めており、金融機関も恩恵を受ける余地がある」と述べた。また、総じて中南米の金融資産に対して建設的な見方を示しながらも「米国が力ずくの手法だけに頼るのは誤り」と指摘。主権意識に根ざした反発を招く可能性がまだあると指摘し「(トランプ)政権がどこか中間的な着地点を見いだせるように願っている」と語った。

免責事項:本サイトで提供する情報は教育・情報提供を目的としたものであり、金融・投資アドバイスとして解釈されるべきではありません。

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