中国バイトダンスやアリババ、米エヌビディアの「Ｈ２００」発注に意欲

[北京／シンガポール１０日 ロイター] - 米半導体大手エヌビディアNVDA.Oの人工知能（ＡＩ）向け半導体「Ｈ２００」の中国輸出をトランプ大統領が認める方針を示したことを受け、中国の字節跳動（バイトダンス）とアリババ・グループ9988.HK が発注に意欲を示している。関係者４人がロイターに明らかにした。

関係者によると、中国製品は現時点でＡＩモデルに関する能力が及ばず、中国当局が許可した場合には大量に発注する意向だ。エヌビディアは最先端半導体の生産を優先し、Ｈ２００の生産量は限定的なものにとどまっており、供給に関してエヌビディアに明確な説明を求めているとした。これまで中国に合法的に輸出できるＡＩ半導体は、対中半導体輸出規制を踏まえ中国向けに特別に設計した「Ｈ２０」。Ｈ２００の性能はＨ２０の約６倍に相当する。

米メディア「ジ・インフォメーション」は１０日に関係者の話として、中国規制当局がアリババやバイトダンス、騰訊控股（テンセント・ホールディングス）0700.HKなどの代表者を集め、Ｈ２００の需要を巡って聞き取りを実施し、当局が決定を近く通知すると伝えたと報じた。

関係者は、中国企業は当局が購入申請を審査し、用途先の提出を求める可能性があるとみている。当局は中国製のＡＩ半導体の浸透を目指す一方、Ｈ２００の輸入を認めることの費用対効果を検討しているという。

ロイターはここ数カ月、中国当局が公的資金の投入を受けるデータセンターや中国企業によるエヌビディア製のＡＩ半導体の購入を禁止したと報じている。その一方で、ロイターが１００件以上の入札情報や学術論文を調査したところ、中国の上位大学、データセンター企業、軍関連機関もグレーマーケットを通じてＨ２００の調達を試みていた。