
Tim Hepher
[パリ 1日 ロイター] - 欧州航空機大手エアバスAIR.PAは1日、主力小型機「A320」シリーズの一部で金属パネルの品質に問題があることを明らかにした。世界的な影響をもたらしたソフトウエアの不具合に続く新たなトラブルとなった。
エアバスは「限定された数のA320の金属パネルに影響する品質問題を特定したことを確認した。問題の原因は既に判明して対応しており、新たに製造した全てのパネルはあらゆる要件を満たしている」とし、追加対応が必要なのは「ごく一部」と説明した。
広報担当者は、問題はあるサプライヤーに起因すると述べたが、具体名は明らかにしていない。
エアバスは航空機構造部品について社内と外部のサプライヤーを抱えている。A320の機体前方は主として社内で製造されるが、それ以外の部分は複数のサプライヤーが関与している。
事情に詳しい関係者の話では、今回の品質問題によって既に一部の納入が影響を受けているが、現時点で正確な機体数や影響の期間は分かっていない。別の関係者はロイターに、全部で50機前後が影響を受けたとの見方を示した。
複数の業界筋はロイターに、エアバスの11月の納入数は72機と、大方のアナリスト予想を下回っており、年初からこれまでの納入数は657機だと述べた。
同社の年間納入数目標は「820機前後」とされている。アナリストのロブ・スタラード氏は目標達成には12月中に160機超という「天文学的な」納入数が必要になると指摘。今回の問題はこれまでにないぐらい最悪の時期に発生したと付け加えた。