
Anna Mehler Paperny Wa Lone
[トロント 3日 ロイター] - カナダ移民省のデータによると、同国は8月にインドからの留学申請の約74%を却下した。却下された比率は2023年8月の約32%から大きく上昇した。カナダはかつてインド人学生にとって好ましい留学先だったが、魅力は低下している。
カナダが今年発行した留学許可証の件数は2年連続で減少した。一時的な移民数を抑えるとともに、学生ビザに関連した詐欺の問題に対処する取り組みの一環。
一方、世界全体からの留学申請のうち却下された比率は、今年8月と23年8月にはいずれも約40%だった。今年8月には中国からの留学申請のうち却下されたのは約24%だった。
インドからは留学申請自体が減少している。23年8月にはインドからの留学申請は2万0900件で全体の4分の1強を占めたが、今年8月は4515件だった。
カナダにおける留学生の出身国は過去10年にわたりインドが最も多かった。だが今年8月にインドからの留学申請を却下された比率は、許可された留学申請が1000件を超えるどの国よりも高かった。
こうした中、カナダとインドは1年以上にわたる緊張状態を経て、関係修復を図っている。カナダのトルドー前首相は23年に同国西部ブリティッシュコロンビア州でカナダ人が殺害された事件にインド政府が関与していると非難。インド政府はこの疑惑を繰り返し否定している。
カナダ移民省のロイターへの電子メールによると、カナダ当局は23年に、偽造された文書が添付された約1550件の留学申請を発見。その大半はインドからの申請だったという。
昨年には、厳格化された審査システムにより、提出された全ての留学申請から、偽造された可能性のある文書が1万4000件余り見つかった。
移民省の報道官は、カナダは留学生の審査を厳格化しており、申請者の財務要件を引き上げていると説明した。