Foo Yun Chee
[ブリュッセル 9月22日 ロイター] - 欧州最大のソフトウェア・メーカーであるSAPは、同社の商慣行に関するEU反トラスト法上の懸念に対処するため、調査と制裁金の可能性を回避するための譲歩案を提示したと、この問題を直接知る情報筋が語った。
ドイツのSAP SAPG.DE は、企業が財務、人事、サプライチェーン、販売、調達を管理するために使用する企業資源計画(ERP) ソフトウェアの世界的リーダーである。
SAPは、ソフトウェアベンダーの複雑な契約条件やライセンス条件、コスト上昇につながるアプリケーションのバンドル、ライバルサプライヤーへの乗り換えの難しさなどを懸念する声が一部の企業から上がったため、数年前から欧州委員会の監視対象になっていた。
SAPは、同社のERPソフトウェアに関するいくつかの苦情に端を発した規制上の懸念を解決するための提案を行った、と情報筋は述べた。この提案の詳細については明らかにしなかった。
EU委員会はソフトウェアのビジネス慣行を調査
SAPがEUの競争監督機関である欧州委員会を納得させることができれば、同社は調査を回避し、年間世界売上高の10%もの罰金を科されるリスクを回避することができる。
SAPも欧州委員会もコメントを拒否した。
EU監視委員会は、ロイターが入手した企業に送付した2022年の質問状で、SAPと米ハイテク企業オラクルORCL.NのERPアフターマーケット・サポート・サービスについて、また回答者がライバル・ベンダーに乗り換えるのが容易かどうかについて質問している。
オラクルはロイターのコメント要請に応じなかった。
回答者には、元のベンダーとのサポート・サービスの契約を継続するか、ライバルに乗り換えるかは自由かどうかが尋ねられた。また、希望するサポートサービスを自由に選択できるかどうか、その際に直面する可能性のある障害についても尋ねられた。
欧州委員会が知りたかったのは、オンプレミスのサービスからクラウド・ソリューションへの移行が企業にとって容易かどうか、SAPやオラクルのソフトウェア・ベンダーがライバルを蔑ろにしていないかどうかである。
このような問題を解決するための救済策は、通常、企業が希望するソフトウェアのサービス契約をより柔軟に行えるようにし、ライバル企業への乗り換えを容易にすることである。
SAPは6月、米データテクノロジー企業テラデータTDC.Nが反トラスト法違反で訴えた訴訟((link))に直面しなければならないとした判決の見直しを米連邦最高裁判所((link))に求めた。