Patrick Wingrove Emma Rumney
[ニューヨーク/ロンドン 19日 ロイター] - 米食品医薬品局(FDA)は、ニコチンパウチ製品の承認プロセスを簡素化する新たな試験プログラムを導入する。トランプ政権下で喫煙代替品に対する規制が緩和される兆候とみられている。
ニコチンパウチは唇と歯茎の間に挟んでニコチンを摂取する。
FDAはこれまで、ニコチン製品の販売を承認する際、メーカーに対し、各製品が公衆衛生に及ぼす影響を調べるための高額な研究を義務付けていた。たばこから代替品への切り替えを促す一方で、若者の使用増加といった新たな問題を生み出さないようにする狙いがある。
ただ、ロイターが入手した内部会議の議事録によると、今回の試験プログラムでは、喫煙を減らすのにどれだけ有効かを製品ごとに研究する義務を撤廃し、既存のニコチンパウチに関する一般的な研究成果を用いる。
この制度は試験的なものだが、世界最大の喫煙代替市場への大きな参入障壁とされてきた厳格な審査プロセスが一部緩和される可能性がある。
フィリップ・モリス・インターナショナルPM.N、アルトリアMO.N、ブリティッシュ・アメリカン・タバコBATS.Lといった大手メーカーは、製品承認までに何年も待たされたり、却下されたりすることが少なくなかった。
ただ、公衆衛生の専門家からは懸念の声も上がっている。元FDA職員らは、ニコチン含有量やフレーバーといった製品ごとの違いが、喫煙者の使用方法や新規ユーザーの取り込みに影響を与えるため、製品ごとの研究が依然として不可欠だと主張している。