Alistair Smout Maggie Fick
[ロンドン 9月12日 ロイター] - 英国最大手のアストラゼネカAZN.Lは、ケンブリッジの研究施設に予定していた2億ポンド((2億7,126万ドル)) の投資を一時停止した。
1,000人の雇用を創出する予定であったこの投資に関する決定は、アストラゼネカが2024年3月に発表した新たな資金調達計画のどれもが現在進行中でないことを意味する。
同社は1月、英国政府の支援削減を理由に、イングランド北部のワクチン製造工場に4億5000万ポンド((link))を投資する計画を中止した。
米製薬会社メルク・アンド・カンパニーMRK.Nは今週、ロンドンでの新しい研究センター((link))の建設を断念し、英国の厳しいビジネス環境を非難した。
メルクの発表を受けて、製薬投資をめぐる憶測について質問されたFTSE100で最大の時価総額を誇るアストラゼネカの広報担当者は、英国有数のライフサイエンス・ハブがあるケンブリッジへの投資計画を一時停止することを確認した。
「当社は常に投資ニーズを再評価しており、ケンブリッジでの事業拡大を一時停止することを確認できる。これ以上コメントすることはありません」とアストラゼネカの広報担当者は述べた。
このニュースは、低迷する英国経済に投資を呼び込もうとするキーア・スターマー首相率いる政府にとって打撃となるもので、ドナルド・トランプ米大統領が国賓訪問のため英国に到着する数日前に発表された。
アストラゼネカは7月、2030年までに500億ドルを投じて米国での製造・研究((link))能力を拡大すると発表した。これは、トランプ大統領の関税政策に反応した製薬企業による多くの発表のひとつである。
トランプ大統領は、英国や欧州は医薬品に十分な高値を支払っていないと批判しており、複数の製薬会社は、英国は医薬品や技術革新が長期的に過小評価されていると批判している。
アストラゼネカがワクチン工場への投資計画を取り下げた後、パスカル・ソリオ最高経営責任者(CEO)は英国に対し、投資を促進するために企業にとって (link)、環境を改善するよう求めた。
(ドル=0.7373ポンド)