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[10日 ロイター] - トランプ米大統領の支持者で保守系政治活動家のチャーリー・カーク氏が10日、ユタ州で行われたイベントで銃撃され死亡した事件を巡り、専門家らは、米国の分断がさらに深まり、社会不安を一層あおる悪循環に陥るのではないかと危惧している。
メリーランド大学の研究者マイク・ジェンセン氏は「恐ろしい出来事だが、意外ではない」と話す。同氏によると、今年半年間に米国では政治的な動機による攻撃が約150件発生し、前年同期比でほぼ倍増した。「私たちは今、非常に危険な状況にある。広範な騒乱へと容易にエスカレートしかねない」と語った。
専門家は暴力増加の要因として、経済的不安、人種や民族の人口構成の変化に対する不安、政治的言説のますます扇動的なトーンなどを挙げる。伝統的なイデオロギーの対立は、かつては政策の不一致が中心だったが、より深く個人的な敵意へと変化している。ソーシャルメディア、陰謀論、個人的な不満が混ざり合い、怒りが増幅しているとの見方もある。
ジョージ・ワシントン大学のジョン・ルイス研究員は、「極端な政治的暴力が常態化している。今回の射殺事件は、明確なイデオロギーや動機がなくても、暴力行為がより一般的になりつつあるという、はるかに大きな問題を体現している」と指摘した。