[28日 ロイター] - 中国の自動車メーカーやディーラーの間で、価格競争の激化を受けて 自動車販売台数の水増しに使用される手法が近年ますます一般的になっていることが分かった。ロイターが消費者の苦情を分析した。
ロイターは今月、中国の電気自動車(EV)ブランド「NETA」と「Zeekr」がここ数年、野心的な目標を達成するため、販売前に保険契約をすることによって販売を水増ししていたことが文書やディーラーなどの話で分かったと報じた。 nL6N3TI07Y
しかし、広く利用されている中国の3つのウェブサイトに掲載された消費者からの苦情97件をロイターが調査したところ、こうした手法はこの2社に限ったものではなく、他社でも採用されていたことが分かった。
10件以上のケースで、購入者は販売店から、この慣行は販売目標を達成するために考案されたものだと知らされたと述べている。
苦情の対象車には中国EV大手の比亜迪(BYD)、トヨタ自動車7203.T、独フォルクスワーゲン(VW)VOWG.DE、米ゼネラル・モーターズ(GM)GM.Nのビュイックなど、中国販売台数が多い国内外の主要ブランドの一部が含まれる。これら海外3ブランドは広州汽車集団(GAC)と上海汽車集団(SAIC)との提携を通じて中国事業を展開している。
調査したケースのほとんどで、自動車メーカーは問題の解決に努めたと公式に回答している。
ロイターは苦情やその解決策を独自に確認できなかった。
中国の自動車販売台数のうち、保険契約によってどの程度水増しされたのかは明らかではない。
コンサルティング会社オートモーティブ・フォーサイトのマネジングディレクター、エール・チャン氏は、この慣行は自動車メーカーが実際にどれだけの在庫を保有しているのかを事実上隠ぺいするものだと指摘。「その結果、業界内で月間需要を見誤ることになり、生産計画の拡大につながる可能性がある」と述べた。