Marie Mannes
[ストックホルム 7月16日 ロイター] - ボルボ・カーズVOLCARb.STは、 今年の米国モデルラインアップを縮小したと発表した 。ドナルド・トランプ大統領の関税措置((link))により、幅広い車種を採算が取れるように販売することが難しくなり、大手自動車メーカーが米国での出荷を停止した最初の例となった。
中国の吉利控股が所有するスウェーデンの自動車メーカーは今週ロイターに、関心が薄れているため、セダンとステーションワゴンを米国のポートフォリオから引き上げていると語った。
(link) 木曜日に四半期決算を発表するボルボは、 大半の自動車がヨーロッパか中国で生産されているため、関税上昇の影響を最も受けている自動車メーカーの ひとつ である。
4月1日に米国外で生産された自動車に課された輸入関税は 、米国市場に参入する外国メーカーにとって市場環境をより厳しいものにしている。
欧州製自動車には27.5%、中国からの輸入車には100%を超える米国の関税により、自動車メーカーは製品戦略の見直しを余儀なくされ、アストンマーティンAML.Lは (link) 米国への輸出を制限し、日産7201.Tは (link) カナダ向けの米国生産を停止した。
業界の専門家は、 国境税のコストを自社で吸収できない、あるいは消費者に転嫁できない自動車メーカーは、単純に米国市場でそのモデルの販売を中止するだろうと警告している。アパレルや玩具など他の業界も同様の影響を経験している (link)。
「米国への販売を減らすのであれば、その分より多くの価値を引き出したいでしょう」と、サプライチェーンのスペシャリスト、SCインサイトの共同設立者であるアンディ・レイランドは言う。
ボルボ・カーズは現在、13車種のグローバル・ラインナップの約半分しか米国市場で販売しない。 ステーションワゴンのV60以外は、米国ではSUVのみを販売することになる。
ボルボのサウスカロライナ工場でのS60の生産は昨年停止され、中国製S90の販売は停止され、ボルボは月曜日、 新型 ES90 セダン ( (link) )は 国内では 採算がとれないと発表 した (link) 。
世界的には、需要の減少に伴い、ボルボは 最後に残ったステーションワゴンのひとつであるV90の販売も中止している。
ボルボ・カーズはロイターに対し、欧州製の電気自動車EX40も一時的に販売を停止しているが、「まもなく」販売を再開すると述べた。同社は理由を明らかにしていない。
ボルボのフラッグシップSUVであるEX30は、米国で大ヒットするはずだったが、その野望さえ打ち砕かれた。
ボルボは、テスラTSLA.Oのモデル3と同様に、 (link) のステッカー価格が35,000ドルと約束された、より安価なシングルモーターバージョンではなく、より高価なデュアルモーターバージョンを46,195ドルで米国の購入者に提供するだけである。
関税に直面すると、自動車メーカーは利益率の高いモデルの販売に注力する傾向があるが、アストンマーティンの元CEOであるアンディ・パーマー氏は、そのような戦略は複雑な結果をもたらす可能性があると述べた。
「一部の(の顧客) は他社に行くか」、 「必ずしも欲しくも必要でもない」モデルを買わされることになるだろう、とパーマー氏は述べた。
フロリダで ボルボを販売するウォレス・オートモーティブ・グループのオーナー、ビル・ウォレス氏は、買い物客が他のブランドを選ぶのは早いことを確認した。
「結局のところ、たとえ高級モデルであっても、彼らはBMWやレクサス、あるいは同様のモデルと支払額を比較することになる......少しでも高ければ......ビジネスを失うだけだ」と彼は言った。
2022年以降、ボルボはソフトウェアのバグ、サプライチェーンの障害、関税関連の遅れに見舞われ、主力製品である電気自動車EX30 (link) とEX90 (link) の展開が遅れている。
2024年に納車が始まる頃には、EVの需要は冷え込み、価格は高騰し、新たな関税が導入された。
(ボルボ) は顧客に愛されているが、今は時期尚早だ」とウォレスは言う。
サウスカロライナ州にあるボルボの米国工場で生産されているとはいえ、ハイエンドのEX90は、そのコンポーネントのほとんどが欧州製であるため、関税の影響を受けている。
EX90の価格は81,290ドルからだが、米国の消費者の支持を得るのに苦労し、2025年上半期の販売台数は2,000台に満たなかった。サウスカロライナ工場では年間15万台の生産が可能だ。
同社は水曜日、 2026年に人気SUVのXC60ハイブリッドを同工場に 追加 すると発表 した ( (link) )。
(ドル=9.7454スウェーデン・クラウン)