Isabel Demetz Jesus Calero
[ 7月14日 ロイター] - ボリス・ピストリウス独国防相は、米国防長官((link) ピート・ヘグセス)との会談のためワシントンに向かう際、ドイツがウクライナ向け米国製パトリオット防空システム((link))を支払う可能性について話し合うようだ。
日曜日にドナルド・トランプ米大統領は、米国はウクライナに (link) 未公表の数のパトリオットを送り、欧州連合(EU)がその費用を負担すると述べた。
ウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー大統領は、ロシアからの連日のミサイル攻撃やドローン攻撃をかわすために、パトリオットシステムやミサイルなどの防衛能力の強化を求めている。
以下はパトリオットに関する主な情報である:
パトリオット・システムとは?
パトリオットとは、Phased Array Tracking Radar for Intercept on Targetの略で、レイセオン・テクノロジーズRTX.Nが開発した移動式地対空ミサイル防衛システムである。
米国の兵器庫で最も先進的な防空システムのひとつとされ、1980年代から運用されている。
典型的なバッテリーには、レーダーと制御システム、電源ユニット、発射装置、支援車両が含まれる。システムは、使用する迎撃ミサイルによって、航空機、戦術弾道ミサイル、巡航ミサイルを迎撃することができる。
パトリオットはどのように機能するのか?
このシステムは、使用する迎撃ミサイルの種類によって能力が異なる。
初期のPAC-2迎撃ミサイルは、目標付近で爆発する爆砕弾頭を使用しているが、PAC-3ミサイルファミリーは、目標に直接命中する、より正確な技術を使用している。
ウクライナにどのようなパトリオット・システムが寄贈されたのかは不明だが、キエフには少なくとも新型のPAC-3 CRI迎撃ミサイルがあると思われる。
このシステムのレーダーの射程距離は150km以上(93マイル)、北大西洋条約機構(NATO) は2015年に述べている。
パトリオットはもともと極超音速兵器を迎撃するようには設計されておらず、レイセオンはそれが可能かどうかまだ確認していないが、2023年5月、米国はウクライナがモスクワが極超音速だと主張するロシアのキンズハルミサイルを撃墜するためにパトリオットを使用したことを確認した。
2015年1月以来、パトリオットは戦闘作戦で150発以上の弾道ミサイルを迎撃したとレイセオンはウェブサイトで述べている。
どの程度広く使われているのか?
レイセオンのウェブサイトによれば、パトリオットは240基以上製造・納入されている。
レイセオン社によれば、これらはアメリカ、ドイツ、ポーランド、ウクライナ、日本、カタール、サウジアラビア、エジプトを含む19カ国に出荷されている。
1月、アクシオスは、米国がイスラエルからウクライナにパトリオット迎撃ミサイル約90台を譲渡したと報じた((link))。
コストは?
戦略国際問題研究所によれば、新たに製造されるパトリオット・バッテリー1基のコストは10億ドルを超える。
CSISによれば、パトリオット迎撃ミサイルは1発あたり約400万ドルと見積もられている。
なぜウクライナはパトリオットの増設を望むのか?
キエフは西側の同盟国((link))に対し、重要なインフラや民間地域をロシアの頻繁なミサイル攻撃やドローン攻撃から守るため、防空能力の強化を一貫して求めてきた。
パトリオットはミサイルや航空機の迎撃には効果的だが、低予算のドローンを撃ち落とすにはコストがかかる。
それでもウクライナ政府関係者は、ロシアの長距離攻撃から重要な標的を守るにはパトリオットが不可欠だと言う。
ロシアはパトリオットを直接的なエスカレーションと見ているという。外務省のマリア・ザハロワ報道官は5月、ウクライナにこれ以上のシステムを供給することは和平の可能性を遅らせることになると述べた((link))。