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〔アングル〕米相互関税に違憲判決、世界経済の先行き依然不透明

ロイターFeb 21, 2026 1:19 AM

Mark John Philip Blenkinsop

- 米連邦最高裁が20日、トランプ大統領が発動した相互関税は違憲と判断したことは、同氏が関税を経済的な武器として活用する上での明確な打撃となった。ただ、アナリストらは世界経済に直ちに恩恵が及ぶことはほとんどないとみている。

むしろ経済活動を圧迫するような混乱が再燃し、違憲と判断された一連の関税に代わる手段をトランプ氏が模索するのはほぼ確実との見方が出ている。

その間も不確実性は大きい。トランプ氏が新たにどのような関税の導入を図るのか、無効になった関税の徴収分を返還しなければならないのか、影響緩和のために米国と結んだ合意を再検討するのか、といった問題が浮上している。

判決を受け、トランプ氏は150日間にわたり全世界に10%の追加関税を課すと表明した。徴収した関税を返還するかどうか、またその時期については明確でないとした。

欧州政策センター(EPC)のアナリスト、バルグ・フォルクマン氏は「世界貿易において新たな不確実性の高い時代が訪れるだろう。米国が今後どのような関税政策を取るのか、各国が見極めようとする状況が続く」と指摘した。その上で「結局のところ、現状とほぼ変わらないだろう」と述べた。

ING銀行のエコノミストも「足場は撤去されたが、建物は建設中だ。今回の判決がどう解釈されようと、関税は今後も継続される」との見方を示した。

今回の判決が対象とするのは、国家非常事態に対応するための国際緊急経済権限法(IEEPA)を根拠にトランプ氏が導入した関税に限られる。これまでに、1750億ドル超の税収をもたらしたと推計されている。

貿易政策監視機関のグローバル・トレード・アラート(GTA)の試算によれば、今回の判断だけで貿易加重平均の米関税率が15.4%から8.3%へほぼ半減する見込みだ。米国の関税率がより高い国ほど影響は大きく、中国、ブラジル、インドでは、依然高水準ではあるものの、2桁のパーセントポイント引き下げになるという。

<米国との2国間協定は「崩壊」の可能性>

しかし、この状況が固定化するとの見方は少ない。トランプ政権は判決以前から、別の法的枠組みを用いて関税を再導入することが可能で、そうする意向だと繰り返し表明してきた。

一方、米国と2国間協定を締結して関税を設定したり、米国への投資を約束したりした国々は、最高裁の判決を材料に再交渉できるかどうかを見極めることになる。

欧州議会国際貿易委員会のランゲ委員長は米国との貿易合意について、欧州議会で早ければ23日にも批准に関する手続きが行われる見通しだとXに投稿した。「無制限で恣意的な関税の時代は終わりを迎えようとしているかもしれない。われわれは今、この判決とその影響を慎重に評価しなければならない」と指摘した。

一方、英政府は20日、米国との特権的な貿易上の地位は維持される見通しとの見解を示した。

各国がトランプ関税に順応しつつある面もある。国際通貨基金(IMF)は最新の「世界経済見通し」で、2026年の世界経済は「底堅い」3.3%の成長率になると予測した。中国は国内の生産者がトランプ氏の関税攻勢に適応し、米国以外の市場向け輸出が拡大した結果、25年の貿易黒字が約1兆2000億ドルと過去最高を記録した。

EPCのフォルクマン氏は、「(トランプ氏の相互関税発表による)25年春に見られたような混乱を招く」よりも、米国との既存の2国間合意を維持する国も出てくる可能性があると述べた。

一方、ベルギーのシンクタンク「ブリューゲル」のニクラス・ポワティエ研究員は、EUと米国の貿易協定には政治的な疑問符が多く残っていると述べた。この協定では欧州側が譲歩し、不利な立場に立たされたとみられている。同氏は「合意が崩壊するような状況も考えられる」と語った。

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