
Greg Bensinger
[サンフランシスコ 27日 ロイター] - 米アマゾン・ドット・コムAMZN.Oが本社部門で最大3万人の人員削減を実施することが、複数の関係筋の話で27日分かった。新型コロナウイルス感染拡大によるパンデミック期の需要急増に伴う過剰採用の調整とコスト削減が目的で、削減は28日に開始されるという。
予定する削減数は本社部門の従業員数(約35万人)の約10%。今回の削減数は2022年末以降に約2万7000人を段階的に削減して以降、最大規模になる見込み。
アマゾンの全従業員数は155万人。同社の広報担当者はコメントを控えた。
アマゾンは過去2年間でデバイス、通信など複数の部門で比較的小規模の人員削減を行ってきた。関係者によると、今回は人事、デバイス、サービス、オペレーションなどさまざまな部門が対象となる可能性がある。
影響を受けるチームの責任者は、28日から送付されるメールでの通知後にスタッフとどのようにコミュニケーションを取るかについて、27日にトレーニングを受けるよう求められたという。
アマゾンのアンディ・ジャシー最高経営責任者(CEO)は管理職の削減など、官僚的な手続きを減らす取り組みを進めている。また、同氏は6月、生成人工知能(AI)の導入により従業員数が今後数年間で減少するとの見通しを示していた。
イーマーケッターのアナリスト、スカイ・カナベス氏は「今回の動きはアマゾンが本社部門において、かなりの人員削減を正当化できるほどAIによる生産性向上を実現している可能性が高いことを示唆している」と指摘。また「アマゾンはAIインフラ構築への長期投資を相殺するという短期的な圧力にもさらされている」と述べた。
関係者によると、削減の規模は財務上の優先事項の変化に伴い今後変更される可能性もある。