中国9月のコアCPIが19カ月ぶりに1％に到達、PPIのデフレ圧力も緩和

TradingKey - 中国の9月の消費者物価指数（CPI）および生産者物価指数（PPI）は前年比で依然マイナス圏にあったものの、最新のインフレデータはデフレ対策が効果を発揮し始めていることを示す明るい兆しを示している。コアCPI（食料・エネルギー除く）は前年比1.0％上昇し、19カ月ぶりに1％の水準に達した。またPPIの前年比マイナス幅もさらに縮小し、消費者・生産者の両面で価格動向が改善していることを示唆している。

中国国家統計局が10月15日に発表したデータの主なポイントは以下の通り：

• 9月CPI（前年比）：▲0.3％（8月の▲0.4％から改善）
• CPI（前月比）：＋0.1％（8月の横ばいからプラスに転じた）

特に注目すべきは以下の点だ：

• コアCPI（前年比）：＋1.0％——5カ月連続で加速し、2024年2月以来の最高水準。1年半ぶりに1％台に復帰した。

中国 9月CPI（前年比）、出典：TradingKey

生産者物価については：

• PPI（前年比）：▲2.3％（8月の▲2.9％から改善）
• PPIはすでに36カ月連続で前年比マイナス
• PPI（前月比）：2カ月連続で横ばい

改善をもたらした要因は？

CPIのモメンタム回復は季節的要因によるものだ：

• 生鮮野菜、卵、果物、羊肉、牛肉の価格上昇
• 非エネルギー系工業製品および金製品の値上がり（国際金価格の高騰が影響）

一方で、休日消費の時期ずれにより、航空運賃、ホテル宿泊費、観光関連サービスなど旅行関連コストが低下し、一部相殺された。

CPI全体の前年比マイナスは、主に「テール効果」——すなわち昨年の高水準価格の影響——によるものだ。

PPIは生産者物価の安定化を示す

PPIのマイナス幅縮小は、複数業界で需給バランスが改善していることを反映している：

• 石炭採掘・加工業
• 鉄鋼業（鉄鋼製錬）
• 太陽光（PV）産業

当局は、継続的なマクロ経済政策支援および生産能力の最適化措置が効果を発揮していると指摘。構造的アップグレードと消費者需要の回復が、特定セクターにおける価格安定と成長を後押ししている。

慎重な楽観：デフレ圧力は本当に弱まっているのか？

データは希望を示しているものの、ピンポイント・アセット・マネジメントの経済学者である張智威（Zhiwei Zhang）氏は次のように警鐘を鳴らした。「現時点でデフレ圧力が弱まっていると結論づけるのは時期尚早だ。」

彼は、コアCPIが前向きなモメンタムを示している一方で、貿易摩擦の再燃や成長見通しに対する不確実性の高まりが、依然として国内需要の回復を重く圧迫していると説明した。

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