ビットコインが過去最高値を更新、イーサリアムも強含み

TradingKey - 米政府機関の閉鎖を背景に、投資家が「ハードアセット」とされる安全資産に資金を移す動きが強まり、仮想通貨市場ではいわゆる「通貨劣化トレード（debasement trade）」が活発化している。これを受け、ビットコインは日曜日に再び史上最高値を更新した。

ブルームバーグのデータによると、世界最大の暗号資産であるビットコインは週末に12万5,689ドルまで上昇し、月曜日のロンドン時間午前には12万4,000ドル近辺で推移している。

ETF資金フローと市場ポジションの変化

暗号資産に対する投資家需要は急速に拡大している。米国のビットコイン現物ETFは先週、32億ドルの資金流入を記録し、2024年の上場以来で2番目に大きな週次流入となった。 ブラックロックのiShares Bitcoin Trustにおける未決済建玉（オープン・インタレスト）は金曜日に498億ドルと過去最高を更新した。

FalconXのリサーチ責任者デビッド・ラワント（David Lawant）氏によると、暗号デリバティブ取引所DeribitとIBITを合わせた建玉総額は800億ドルに迫り、2024年初頭の水準の約10倍に達しているという。 「オプション市場の動向が、これまでになく現物価格の形成に影響を与えている」とラワント氏はリポートで述べた。

トレーダーは13万5,000ドルのレジスタンスを注視

BTC Marketsのアナリストレイチェル・ルーカス（Rachael Lucas）氏は、ビットコインは13万5,000ドル付近でテクニカル的な抵抗線に直面する可能性があると指摘。 「現在の上昇モメンタムが続けば15万ドルへの上値余地もあるが、レバレッジが積み上がる中で急反落すれば大きなボラティリティを誘発しかねない」と警告した。

オプションデータによれば、市場センチメントは依然として強気に傾いている。未決済建玉の60％超がコールオプションに集中しており、投資家の強い信念を示す一方で、上昇が一服した際には連鎖的な清算リスクを高める構造でもある。

過去のデータでは、10月はビットコインにとって最も好調な月とされる。ブルームバーグの統計によると、過去10年間の10月平均上昇率は22.5％に達する。

ETF資金流入が支えるイーサリアムの上昇

時価総額で2番目の暗号資産であるイーサリアム（Ether, ETH）は、月曜日のロンドン時間午前で約4,560ドルと、9月20日以来の高値圏で推移している。 価格上昇とともに現物イーサリアムETFへの資金流入が再加速し、先週金曜日には2億3,300万ドルが流入、週次では13億ドル超の純流入となった。

前週の7億9,500万ドルの純流出から大幅な反転であり、イーサリアムETFの運用資産総額は305.7億ドルに達し、同通貨の時価総額の**5.35％**を占める。

デリバティブ市場でも活況が続く。イーサリアム先物の建玉総額は610億ドルに拡大し、9月22日以来の高水準。日次取引量も1,000億ドル近くに達し、市場の活発化を裏付けている。

オンチェーンデータでは、イーサリアムネットワーク上の総ロック資産（TVL）が2,000億ドルと過去最高を更新。 ステーブルコイン供給量も1,600億ドルを突破した。機関投資家からの需要も強く、BitMine Immersionは77億ドル相当のイーサリアムを、SharpLinkは36億ドルを保有している。

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