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〔情報BOX〕スペースXとxAIが合併協議、「宇宙データセンター」構想とは

ロイターJan 30, 2026 4:30 AM

Joey Roulette

- ロイターは29日、ともに米実業家イーロン・マスク氏が率いる宇宙開発企業スペースXと人工知能(AI)企業xAIが合併に向けて協議を進めていると報じた。

実現すれば、人工衛星にAI向けデータセンターを設けるというマスク氏の計画に弾みが付きそうだ。nL6N3YU1EM

マスク氏はグーグルを傘下に抱えるアルファベットGOOGL.Oや、生成AIモデル「チャットGPT」を開発したオープンAIなどのIT大手企業とAI開発競争で覇権を争っている。

宇宙空間のAI向けデータセンターについて現在分かっていることは以下の通りだ。

<宇宙空間のAI向けデータセンターとは>

宇宙空間のデータセンターは、まだ初期の構想段階にとどまっている。エネルギー消費量が多い地上施設は運営コストが高騰していることから、xAIが開発した対話型AIモデル「グロック」や、チャットGPTなどの膨大なコンピューティング需要を処理するため、宇宙の軌道上にネットワーク化された太陽光発電駆動の人工衛星を数百基飛ばすものになる可能性が高い。

この構想の賛同者は、大気圏外で運用することでほぼ安定的な太陽光発電が可能になり、地上でのデータセンター運営コストの大部分を占める冷却機能が必要ないため、AI処理が大幅に効率化される可能性があるとしている。

一方でエンジニアや宇宙の専門家らは、スペースデブリ(宇宙ごみ)発生の重大なリスク、宇宙放射線からのハードウエア保護、宇宙でのメンテナンス手段の制約、高額な打ち上げコストなどの理由から商業化には数年かかると警告している。

ドイツ銀行は技術と経済性の両方を検証するため、2027―28年に小規模な軌道上のデータセンターの展開が始まると予測している。初期のミッションが成功した場合、30年代には数百基から数千基の大規模な人工衛星群が出現する見込みだ。

<なぜマスク氏は実現したいのか>

スペースXは歴史的に見て最も成功したロケットメーカーであり、運営するインターネットサービス用衛星通信「スターリンク」の一環として数千基の人工衛星を軌道に投入することに成功している。宇宙でのAI向けコンピューティング技術の未来が待ち受けているのならば、スペースXはAI対応人工衛星クラスターの運用や、宇宙の軌道上でのコンピューティング技術の構築において最も理想的な位置にいる。

マスク氏は今月の世界経済フォーラム(WEF)年次総会(ダボス会議)で「宇宙に太陽光発電データセンターを建設するのは当然の選択だ。AIを設置するのに最も低コストの場所は宇宙であり、それは2年以内、遅くとも3年以内に現実となる」と訴えた。

ロイターはスペースXが年内に新規株式公開(IPO)を検討しており、時価総額が1兆ドルを超える可能性があると報じていた。情報筋によると、IPOで調達する資金の一部はAI向けデータセンター人工衛星の開発に充てられる。

<競合他社は何をしているのか>

アマゾン・ドット・コムを創業したジェフ・ベゾス氏の宇宙企業ブルーオリジンは、宇宙空間でのAI向けデータセンターの技術開発を進めている。これは軌道上の「巨大なギガワット級データセンター」が途切れることのない太陽光エネルギーを活用し、熱を宇宙空間に直接放射することで、10―20年以内に地上のデータセンターのコストを下回ると予測するベゾス氏の考えに基づいている。

米半導体大手エヌビディアの支援を受けている米スタートアップ企業スタークラウドは既に、そのような未来の到来を垣間見せている。スペースXが開発したロケット「ファルコン9」で昨年12月に打ち上げられたスタークラウドの最初の人工衛星は、宇宙の軌道上では過去最強となるエヌビディアのAI向け半導体「H100」を搭載。概念を実証するため、グーグルのオープンソースの大規模言語モデル(LLM)「ジェマ」の訓練と実行を手がけている。

スタークラウドは最終的に、複数の大規模データセンターの規模に匹敵する約5ギガワットの計算能力を提供するモジュール式「ハイパークラスター」人工衛星群を構築する構想を立てている。

グーグルは宇宙にデータセンターを設ける構想「プロジェクト・サンキャッチャー」を推進中だ。この調査プロジェクトでは自社開発の半導体「テンソル・プロセッシング・ユニット」を搭載した太陽電池人工衛星をネットワーク化し、軌道上のAI向けクラウドを構築する。グーグルはプラネット・ラボとともに、2027年ごろに初期試作品の発射を計画している。

中国の国営中央テレビ(CCTV)は29日、同国宇宙開発大手の中国航天科技集団公司(CASC)が5年以内に宇宙空間でAI向けデータセンターを構築する方針を示したと報じた。CASCは今後5年間の開発計画で、「ギガワット級の宇宙デジタル・インテリジェンス・インフラを構築する」と表明した。

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