
Francesca Landini Stephanie Kelly
[ロンドン 11日 ロイター] - 英石油大手シェルSHEL.Lが、米液化天然ガス(LNG)大手ベンチャー・グローバルとの長期供給契約を巡る8月の仲裁裁判所の判断を不服とし、ニューヨーク州地裁に上訴したことが分かった。ロイターが確認した裁判資料で明らかになった。
シェルは、ロシアのウクライナ侵攻を背景にLNGが高騰したことを受け、ベンチャー・グローバルが現物市場での販売を優先し、長期契約義務を果たさなかったと主張している。
シェルは訴状で、仲裁裁判所の判断に対する異議申し立ては法的ハードルが高いとしつつ、ベンチャー・グローバルが重要な証拠を隠匿していたため、訴えは正当だと強調した。
一方ベンチャー・グローバルは、仲裁裁判所の判断は公平公正で全員一致だったと反論。広報担当者はロイターに対し、「仲裁判断取り消しの申し立ては利益がなく、仲裁や契約で得られなかった結果を獲得するための悪あがきだ」と非難した。その上で、「ベンチャー・グローバルは供給や新規顧客との契約締結などを継続し、世界市場に低コストなLNGが十分供給され続けるよう支援する。われわれは状況を注視し、動揺せず、適切に対処する」と答えた。
シェルは「係争中、かつ契約上および国際商業会議所(ICC)の規則による守秘義務があるため、現時点ではこれ以上コメントできない」と述べた。