[10日 ロイター] - 豪銀行大手ANZグループANZ.AXは10日、金価格の年末予想を1オンス=3800ドルに引き上げ、来年6月までに4000ドル近くでピークに達すると予想した。強い投資需要が背景。
金価格は9日、最高値の3673.95ドルに上昇。ドル安、中央銀行の大量購入、金融緩和、世界的な不確実性の高まりを背景に年初から38%上昇している。
ANZのアナリストはリポートで「緩和的な金融政策の継続見込み、地政学的緊張の高まり、現在のマクロ経済上の課題、米連邦準備理事会(FRB)の独立性に対する懸念が、金への投資需要拡大につながる見通しだ」と述べた。
同行によると、中央銀行による金の購入は今年900─950トンとなる見通し。今年下半期に485─500トンの購入が見込まれる。
ANZは「労働市場へのリスク増大により、FRBは来年3月まで緩和的なスタンスを維持する可能性が高い。米国債利回りに下落圧力がかかり、通常、金の魅力を高める要因となる」と述べた。
また、金の強気相場と堅調なETF(上場投信)への資金流入を理由に、銀価格の年末目標を1オンス=44.7ドルに引き上げた。
銀現物XAG=は8日、14年ぶりの高値となる41.65ドルまで値上がりした。