Saeed Shah Ariba Shahid
[イスラマバード 22日 ロイター] - パキスタンの鉄道網改修を巡り、アジア開発銀行(ADB)が中国に代わって資金を提供することが22日、分かった。中国政府からの融資確保が遅れ、鉱山事業に支障が出る恐れがあるため。関係者2人がロイターに明らかにした。
約1800キロに及ぶ鉄道網の全面刷新は、中国が「一帯一路」構想の一環として2015年に打ち出したパキスタンへの600億ドルの投資プログラムの目玉だった。
交渉は10年にわたったが、鉄道網改修事業を巡って融資パッケージがまとまらなかった。パキスタンは別事業で中国から受けた融資の返済にも苦慮している。
関係者によると、中国が担っていた南部カラチとローリを結ぶ500キロの路線改修に対し、ADBが20億ドルの融資を主導する方向で協議が進展した段階にある。
カナダ産金大手バリック・マイニングABX.TOが開発を手掛けるレコディク鉱山で採掘された銅鉱石を運搬するため、鉄道網の改修は急務となっている。
パキスタン鉄道省と中国外務省からはコメントを得られていない。
ADBはロイター宛ての声明で「当行によるあらゆる支援の可能性は、正式な契約前に、包括的デューデリジェンス(資産査定)と検討の対象となる」と説明した。