Valerie Volcovici Jarrett Renshaw
[ワシントン 27日 ロイター] - トランプ米政権は、同国の人工知能(AI)技術拡大を支えるエネルギー供給増強を目的とした一連の大統領令を計画している。関係者4人が明らかにした。
発電所が送電網に容易に接続できるようにすることや、データセンター建設用地として連邦政府の土地を提供することが検討されているほか、AI行動計画の発表や国民の関心を高めるためのイベントも行うという。
ホワイトハウスはコメント要請に応じていない。
大規模AIモデルの学習には膨大な量の電力が必要だが、新たな発電所を建設し、送電網に接続するには大規模な影響調査が必要で、何年もかかる可能性があることなどから、大きなハードルになっている。
関係者によると、政権が検討している措置には、より開発が進んだ発電プロジェクトを特定し、優先的に送電網に接続する案が含まれる。
データセンターの建設地選定も課題の一つだ。大規模施設には広いスペースと多くのリソースが必要なため、建設規制や住民の反対に直面する可能性がある。
関係者によると、大統領令は国防総省や内務省が管理する土地を開発業者に提供することで、この問題に対処できる可能性がある。
政権はまた、企業が水質に関する許可を州ごとに申請するのではなく、全国的な許可の仕組みを設けることで、データセンター建設に関する許認可手続きを簡素化することを検討しているという。
トランプ大統領はAI競争で中国に勝利することを優先課題に掲げ、就任初日に石油・ガス開発や石炭・重要鉱物採掘、火力・原子力発電所新設に関する規制撤廃を目指して国家エネルギー非常事態を宣言した。
また、米国を「AIの世界首都」にするAI行動計画を策定するよう1月に政権に指示した。この報告書は7月23日までに提出される予定で、ホワイトハウスは関心を高めるために同日を「AIアクションデー」とすることを検討しているという。