
Aishwarya Venugopal Juveria Tabassum
[18日 ロイター] - 米小売業大手ウォルマートWMT.Nは19日の決算発表時に2027年1月期通期決算(26年2月―27年1月)について慎重な業績予想を示すと、市場関係者らがみている。ジョン・ファーナー新最高経営責任者(CEO)が今月1日に就いた同社が、脆弱な消費環境に直面していることが背景にある。
ウォルマートは今月3日、小売業として初めて時価総額が1兆ドルを突破した。それ以来、少なくとも9社の米証券会社がウォルマートの目標株価を引き上げ、6社が第4・四半期の利益予想を上方修正した。
25年には株価が24%上昇し、消費者の節約志向で苦戦している加工食品業者を大きく上回っている。
ウォルマート株を保有するローガン・キャピタル・マネジメントのマネージングディレクター兼ポートフォリオマネージャーのサラ・ヘンリー氏は「K字型消費の話題を多く耳にするが、ウォルマートではこの傾向がさらに顕著だ。というのも、より所得が高い消費者はITを利用する傾向が強く、それが従来はウォルマートを利用しなかった消費者層を引き寄せているからだ」と指摘する。
エバーコアISIのアナリスト、グレッグ・メリッチ氏は「(ウォルマートの)経営陣は、伝統的に通期見通しを最初に発表する際に保守的な傾向がある」と言及。ただ、株価が史上最高値圏で推移していることを踏まえ、投資家らは高い期待値を抱いていると説明した。
好調な業績を背景に株価収益率(PER)は約45倍に達し、同業他社の大部分を上回る。LSEGがまとめたデータによると、26年1月期の第4・四半期(25年11月―26年1月)の売上高は1904億3000万ドルだったと予想されている。
ウォルマートは最大のライバルであるアマゾン・ドット・コムとの差を埋めるため、人工知能(AI)に多額の投資をしている。先行するアマゾンは、さまざまな買い物に関する質問に答える生成AIを使ったネットショッピング支援サービス「RUFUS(ルーファス)」を導入した。
ウォルマートは、提携先のオープンAIが手がける生成AIモデル「チャットGPT」などのツールを用いて買い物をできるようにした。また、AIを活用して商品配送のスピード、推奨機能、顧客体験全体を改善させ、オンライン売上高の成長を促している。
景気悪化を背景にあらゆる所得層の買い物客がより安価な選択肢を求める中で、ウォルマートの低価格戦略と配送サービスの拡大は、中核である低所得層の顧客だけではなく、より高所得層も取り込んでいる。
ウォルマートはAIへの投資を通じて業務効率化と買い物体験の向上を図り、成功を収めた。
過去5年間にウォルマートは電子商取引(EC)プラットフォーム「ウォルマート・マーケットプレイス」の取扱商品を5億点超に拡大し、1時間で配送するサービスを開始。アマゾンの会員制サービス「アマゾン・プライム」に対抗した「ウォルマート・プラス」の創設、さらに40億ドル規模の広告事業を構築した。
これらの施策によって利益が向上し、過去10四半期連続で前年同期を上回っている。
来店客数は25年終盤には回復基調を示し、第4・四半期の来店客数は前年同期比で2.3%増えた。Placer.aiのデータによると、26年1月に来店客数拡大の勢いが増した。