Puyaan Singh
[ 9月29日 ロイター] - エナンタ・ファーマシューティカルズENTA.Oは、同社の実験的呼吸器合胞体ウイルス治療薬が、感染症による合併症のリスクが高い成人を対象とした中間段階の試験で、回復を 著しく早めたと 発表した。
この月曜日の発表により、医薬品開発会社の株価は40%上昇した。
しかし、この経口薬ゼリカパビルは、RSV感染に伴う下気道疾患の特定の症状の回復にかかる時間を改善するという主な研究目標を達成することはできなかった。
RSVはインフルエンザなどの 季節性感染症を引き起こす一般的な呼吸器ウイルスである。乳幼児や高齢者における肺炎や死亡の主な原因 で ある。
ゼリカパビル投与群では、プラセボ投与群よりも2.2日早くRSV症状が消失し、高リスク群(うっ血性心不全、慢性閉塞性肺疾患、75歳以上)では6.7日早く消失したという。
「H.C.ウェインライト社のアナリストであるブランドン・フォルクス氏は、「今回の試験結果は、ゼリカパビルがRSV治療薬として承認される可能性が高いことを証明するものである。
米国ではリスクの高い成人の間で年間200万から300万人のRSV患者がいると推定されており、わずかな市場浸透でも非常に大きな商機となる、とフォルクス氏は述べた。
この薬剤は、入院率の減少を含む、この試験の他のいくつかの副次的目標を達成した。
エナンタ社のメディカル・チーフであるスコット・ロッティンガウス氏は電話会議で、「このデータは、主要評価項目の特定を含め、将来の後期試験に反映される 」と述べた。
ジェイ・ルーリーCEOは、エナンタ社はゼリカパビルをさらに開発するためのパートナーを探していると述べた。
現在、成人のRSV治療薬として米国で承認されている ものはない。予防対策としては、最近承認されたGSKGSK.L、ファイザーPFE.N、モデルナMRNA.Oのワクチンと、メルクMRK.N、サノフィSASY.PA、アストラゼネカAZN.Lの小児用抗体薬に頼っている。
また、ギリアドGILD.Oはオベルデシビルという治療薬を開発している。