Harshita Mary Varghese David Shepardson
[ワシントン 8日 ロイター] - イーロン・マスク氏が率いる宇宙開発企業スペースXは8日、米衛星通信会社のエコスターSATS.Oが保有する無線周波数帯のライセンスを約170億ドルで購入すると発表した。衛星インターネットサービス「スターリンク」向けで、スペースXは米通信大手TモバイルTMUS.Oなどから借り受ける周波数帯に依存するだけでなく、自社所有の周波数帯でサービスを展開できるようになる。
スペースXは米連邦通信委員会(FCC)に対し、エコスターが保有する第5世代(5G)通信の周波数帯を有効に利用していないとして、再配分するよう強く促していた。
両社は、エコスターの携帯電話サービスの契約者が、衛星とスマートフォンを直接通信できるスターリンクのサービス「Direct To Cell」にアクセスできるようにする契約にも合意した。
スペースXのグウィン・ショットウェル社長兼最高執行責任者(COO)は「世界のモバイル通信における利用できないエリアの解消につながる」と述べた。
発表を受けて、エコスターの株価は午前の取引で約15%上昇している。
スペースXは最大85億ドルの現金と、最大85億ドル相当の株式を発行して支払う。2027年末までエコスターの債務利息の支払いを20億ドル程度負担することにも合意した。
FCCは5月、エコスターの5Gサービスの提供について疑義を呈し、保有する無線周波数帯の利用条件を満たしているかどうかを調査中だと通告していた。エコスターは今回の取引や8月に合意した米通信大手AT&TT.Nへのライセンス売却で、FCCの懸念は解消される見通しだと述べた。