Joanna Plucinska Rajesh Kumar Singh
[ロンドン/シカゴ 8月1日 ロイター] - ヨーロッパの航空会社の株価は、地政学的・経済的な不確実性にもかかわらず、過去6ヶ月で急騰した。
ドナルド・トランプ米大統領の貿易戦争が消費者や企業の景況感を揺るがしたため、今年に入ってから株式市場は乱高下している。
旅行支出は多くの消費者や企業にとって裁量的な項目であるため、米国の経済成長が弱くインフレ率が高いという見通しは、デルタ航空DAL.N、ユナイテッド航空UAL.O、アメリカン航空AAL.Oなどの株価を直撃している。
(link) ヨーロッパの主要フラッグ・キャリアであるルフトハンザ・ドイツ航空LHAG.DEとエールフランス-KLMオランダ航空AIRF.PAは木曜日、第2四半期決算を発表した。
金曜日に決算を発表するブリティッシュ・エアウェイズ傘下のIAGICAG.Lの株価も、欧州の同業他社に比べれば小幅ながら上昇を続けている。
特にエールフランス航空< (link) >は、プレミアムシートを販売するために高級イメージを高めている。
今年、欧州の大手航空会社の株価をリードしているのはエールフランス-KLMで、ルフトハンザとIAGもそれに遠く及ばない。アメリカの主要航空会社は、先月上昇を見せたものの、すべて年初来でダウンしている。
改善の兆し?
欧州の航空会社CEOは、他の国際航空会社と比較して、環境コストや空港税に関連する不当な規制負担に直面していると複数の不満を表明しているにもかかわらず、シェアと業績は改善している。
トランプ大統領の税制・歳出法案が可決され、関税問題がある程度明確になったことで、米国の航空会社にとってマクロ経済的な懸念が緩和され、旅行需要の改善への期待とともに、株価が今年の最安値から回復した。
「フラッグ・キャリアは、北大西洋の需要が若干弱まったものの、投資家が懸念していたような崩壊には至っていないことを認識し、ますます牽引されている」とグッドボディのアナリスト、ダドリー・シャンリーは語った。
それでも、アメリカの航空会社の2025年の業績予想は大幅に下方修正された。
「結局のところ、旅行需要は消費者の自信に支えられている」とメリウス・リサーチのアナリスト、コナー・カニンガムは言う。
「関税による減速は一時的な休止だったと振り返ることができるかもしれない」と同氏は語った。