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〔焦点〕スターリンク、イランの妨害と対峙 安保性能試される

ロイターJan 19, 2026 3:29 AM

Joey Roulette Cassell Bryan-Low

- イランによる反政府派の弾圧は、実業家イーロン・マスク氏の宇宙開発会社スペースXが運営する衛星通信「スターリンク」にとって、安全保障上の性能を見極めるための試金石となりつつある。スターリンクは、ウクライナ戦争中に採用されて以来、国家によるインターネット遮断に対抗する命綱として機能してきた。

スペースXが16日の週、イラン国民向けに通信サービスを無料化したことで、同社は再び地政学的スポットの中心に踊り出た。米国拠点のエンジニアチームが、通信衛星妨害や信号スプーフィング(なりすまし)といった技術を持つ大国イランによる妨害と対峙する構図だ。

この対決は、スターリンクとその防衛級サービス「スターシールド」を利用する米軍や情報機関の注目を集めているほか、数年中にスターリンクと競合し得る衛星インターネット網を立ち上げた中国も注視している。スペースXは今年、新規株式公開(IPO)を控えており、イランでの状況は投資家向けの大々的なお披露目の場ともなる。

バイデン前米政権下で国防総省の宇宙政策責任者を務めたジョン・プラム氏は「抑圧的な政権は依然として通信を遮断できると思っているが、私はいずれ不可能になる日が来ると考えている」と述べた。

シンクタンク「セキュア・ワールド・ファウンデーション」の宇宙安全保障・安定部門の統括ディレクター、ビクトリア・サムソン氏は、ウクライナでスターリンクに対抗すべく様々な技術を投入してきたロシアが、イランによる妨害の有効性を確認したがっている可能性があると指摘した。

<スターリンクで弾圧の動画送信>

イランでは過去一週間、反政府デモ参加者が何千人も殺害されたと報じられている。ただ政府の通信制限命令により、弾圧の全体像を把握するのは難しくなっている。

イランにとってスターリンクは、ケーブルや携帯電話基地局のネットワークよりも妨害しにくい。

アムネスティ・インターナショナルのイラン担当研究者ラハ・バヘレイニ氏によれば、イランから到着した弾圧に関する動画のほぼ全てが、スターリンクにアクセスできた人々から送られたものだとみられる。

イランではスターリンクが禁止されているが、米国の非営利団体「ホリスティック・リライアンス」によると、端末数万台が秘密裏に持ち込まれた可能性がある。ただし、そのうち何台が実際に使用されているかは不明だ。

一般向けのスターリンク端末は長方形のアンテナで、大きさはピザ箱大とノートパソコン大の2種類がある。

スターリンクは世界初の大規模な宇宙ベースのインターネット網であり、戦時や遠隔地における通信の重要な手段として浮上している。

専門家らによると、イランは衛星通信妨害機のほか、偽のGPS信号を送るスプーフィングによってスターリンクの通信を妨害、端末を無力化しようとしている可能性が高い。

イラン反政府活動家のナリマン・ガリブ氏が国内でデータを分析した結果、スプーフィングによりスターリンクの接続が打撃を受け、インターネットの通信スピードが遅くなっていた。「テキストメッセージは送れるかもしれないが、ビデオ通話は無理だ」という。

マスク氏はこれまで繰り返し、イランにスターリンク端末が存在することを確認。イラン政府は何年間もこれに対抗する取り組みを続けてきた。2022年に女性マフサ・アミニさんが当局に拘束され死亡したことに対するデモが広がった際、マスク氏はイランに約100台のスターリンク端末があるとXに投稿した。

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