
Chris Prentice Marisa Taylor
[ニューヨーク/ワシントン 20日 ロイター] - トランプ米大統領が任命したパルト連邦住宅金融局(FHFA)局長が、保守系ニュースサイトの記事を引用し、民主党のエリック・スウォルウェル下院議員を住宅ローン詐欺の疑いで捜査するよう求めていたことが、ロイターの確認した政府電子メールで明らかになった。
保守系サイト「ゲートウェイ・パンディット」は11月12日、スウォルウェル氏がワシントンDCの自宅を住宅ローンの書類上で「主たる居住地」と不適切に記載したと報じた。同日、パルト氏はFHFAの監察総監代理に対し、この記事のリンクを送り、司法省との連携を含め「適切なあらゆる措置」を講じるよう求めた。
事情に詳しい関係者によれば、パルト氏は同日中に司法省にもこの件を付託した。
スウォルウェル氏はトランプ氏に批判的なカリフォルニア州選出の議員で、同州知事選に出馬している。
一般に銀行は、別荘や投資用物件よりも、主たる居住地とされる住宅に対して低い金利を提供するため、借り手は返済額を抑えることができる。
パルト氏は、ニューヨーク州のジェームズ司法長官やカリフォルニア州選出のアダム・シフ上院議員、連邦準備理事会(FRB)のクック理事など、トランプ氏が敵視する民主党関係者や公職者に対して同様の住宅ローン詐欺疑惑を提起している。
倫理の専門家からはパルト氏の手法に批判が出ている。共和党のブッシュ(子)政権でホワイトハウス首席倫理弁護士を務めたリチャード・ペインター氏は「司法省の政治利用という、より大きな流れの一部だ。政治的な敵を狙い撃ちにするのは極めて非倫理的だ。公職の乱用であり、公の信頼に対する背信行為だ」と指摘した。