Svea Herbst-Bayliss
[ニューヨーク 9月29日 ロイター] - Irenic Capital Managementは、WorkivaWK.Nの株式を大量に保有し、財務報告ソフトウェア・メーカーであるWorkivaは、経営効率を改善し、取締役会を刷新し、売却の可能性を検討する必要があると主張している。
ロイターとこの問題に詳しい2人の関係者が入手した文書によると、イレニックはワーキバの株を約2%保有しており、47億ドル規模のワーキバの業績を向上させるために可能な改革について何度も経営陣と会談しているという。
具体的には、ニューヨークを拠点とするヘッジファンドは、アイオワ州エイムズに本社を置く同社に対し、二元的な株式構造を廃止し、すべての取締役を毎年選挙で選ぶようにし、イレニック社の幹部クリシュナ・コルポル氏を含む2人の新人を取締役に加えるよう求めている、と情報筋は述べている。
イレニックは、金融ソフトウェア企業に対するプライベート・エクイティの強い意欲を利用し、新たな取締役会の監視の下、戦略的選択肢を検討するようWorkivaに働きかけていると、非公開の協議について公に話すことを許されなかった情報筋は語った。ワーキバは3年前、プライベート・エクイティ会社 (link) から関心を持たれたことがある。
両者が合意に達しない場合、ヘッジファンドは取締役を指名する可能性も否定していない、と情報筋は語った。
イレニックの担当者はコメントを控えた。
株価下落後のワーキバをターゲットに
IrenicはWorkivaの投資家トップ10にランクされており、同社が投資家デーを開催してから3週間も経たないうちに、同社が変化を求めていることが公になりつつある。
投資家によると、ワーキバの株価は9月9日に5.2%下落したが、これは経営陣の収益性へのコミットメントと、営業・マーケティング投資を通じて収益成長を促進する企業の能力を測定するGo-to-Marketの効率性を投資家が懸念したためだという。同日のS&P500種株価指数はほぼ横ばいだった。
同社は、清涼飲料メーカーのコカ・コーラKO.N、エネルギー企業のシェブロンCVX.N、ユナイテッド航空UAL.Oなど、フォーチュン500社の約90%が証券取引委員会などの規制当局に提出するために使用する最高級の財務報告ツールを提供している。
ジュリー・イスコーが2023年4月にワーキバのCEOに就任して以来、同社の株価は19%近く下落した。これに対し、同業他社の平均上昇率は20%、同期間のS&P500種株価指数は70%上昇した。
イレニックは、ワークデイWDAY.OやサービスナウNOW.Nのようなアプリケーション・ソフトウェアのライバル企業に対して27%のディスカウントで取引されている同社の財務実績に不満を抱いている。
ヘッジファンドは、このディスカウントは成長と収益性のバランスの悪さが原因だと主張し、経営陣に早急に対処するよう求めている、と情報筋は付け加えた。
イレニック、ワーキバの長期取締役を標的に
IrenicはWorkivaの取締役会に2度書簡を送り、懸念と改善案を提示したという。
ヘッジファンドはまた、同社のガバナンスにかなりの懸念を表明し、7人の取締役のうち5人が2014年以来取締役を務めていることを指摘した。
イレニックが上場企業の取締役に就任するのは極めて異例で、設立以来3年間で、同社の役員が上場企業の取締役に就任したのは2社のみである。
同社は、元エリオット・インベストメント・マネジメントのアダム・カッツ氏と元インダバ・キャピタル・マネジメントのアンディ・ドッジ氏によって設立され、アルコニック社、バーンズ社、カウチベース社などが非公開化された際に関与し、ニューズ・コーポレーションNWSA.Oやセラバンス・バイオファーマTBPH.Oではアクティビスト活動を行った。