Andrew R.C. Marshall Olivia Le Poidevin
[ロンドン/ジュネーブ 28日 ロイター] - 米政府は、国連全加盟国を対象に互いの人権問題を評価する「普遍的定期審査(UPR)」への参加を見送ることを明らかにした。
人権団体からは、人権問題に対する世界的な取り組みが弱体化するとの批判が出ている。
UPRでは、国連加盟全193カ国に対し、4年半から5年ごとに自国の報告書を提出するよう求めている。提出された報告書は他の加盟国が審査し、法的拘束力のない勧告を行う。
米国務省当局者はロイターに対し、11月に予定されているUPRメカニズムへの参加と報告書の提出を見送る。トランプ大統領が2月に国連人権理事会との関与を停止する大統領令を出したことを受けた措置という。
同当局者は「UPRへの関与は(国連人権)理事会の権限と活動を是認することを意味するが、理事会は最も甚だしい人権侵害国を非難することに一貫して失敗してきた」と述べた。
国連人権高等弁務官事務所の報道官はロイターに対し、米国の決定は遺憾だと表明。「米国を含む全ての国が理事会に建設的に関わってきた。これが、世界中の長年にわたる人権の促進と保護に寄与してきた」と述べた。
ニューヨーク大学スターン経営大学院のマイケル・ポズナー人権・ビジネスセンター所長は、UPRの報告書を提出しなくても米国に直接的な影響はないが「イラン、ロシア、スーダンのような深刻な人権侵害国が同じことをする口実を与えてしまう」と述べた。
ジュネーブを拠点とする非政府組織「国際人権サービス」のフィル・リンチ事務局長は「米国は(トランプ政権下で)急速に人権問題ののけ者国家になりつつある」と述べ、参加拒否は差別に直面する人々への軽蔑を示すものだと批判した。