
[15日ロイター] - 海外投資家は11月、株安を背景にアジア債を大幅に買い越した。
各国の規制当局や債券市場団体のデータによると、韓国、タイ、マレーシア、インド、インドネシア債の海外勢の買い越し額は108億6000万ドル。5月(152億9000万ドル)以来最大の買い越しとなった。
ANZのアジアリサーチ責任者クーン・ゴー氏は「11月は株式と債券の間で再び乖離が見られた。投資家が低リスク資産へローテーションした結果と考えられる」と述べた。
国別では、韓国債が110億8000万ドルの流入。少なくとも2016年以降で最大規模となった。
来年4月からFTSE世界国債指数に組み入れられるとの期待が背景。ゴー氏は「韓国債への強い流入の一部は株式市場からシフトした可能性がある」と指摘した。
タイ債は3か月連続の買い越し。合計の買い越し額は3億1900万ドル。
マレーシア債は3億1600万ドルの買い越し。
インド債とインドネシア債は、それぞれ4億4700万ドル、4億ドルの売り越し。
パインブリッジ・インベストメンツのポートフォリオマネジャー、ジョナサン・デービス氏は、マクロ経済の不確実性が残る中で株式のバリュエーションが上昇しているため、投資家は中核となる債券に引き続き注目し、負債が多い発行体へのリスク集中に留意すべきだと指摘。
「このため、安定性を維持し、コアの債券ポートフォリオ内でリスクを分散させるため、アジア太平洋のドル建て債券市場に注目する機関投資家が増えている」と述べた。