
Che Pan Wen-Yee Lee
[北京/台北 23日 ロイター] - オランダの半導体メーカー、ネクスペリアの中国部門は、経営権を巡る対立を受けて中国政府が輸出を禁止したため出荷を全て停止していたが、事情に詳しい関係者2人によると、地元販売業者への供給を再開した。
しかし、国内取引に限定された再開の一環として、業者への販売は全て人民元で決済しなければならなくなったという。これまではドルなどの外貨のみが使用されていた。
また、中国部門は販売業者に対しても、顧客との取引を元建てのみで行うよう指示した。中国での供給を安定させ、オランダの親会社からの独立性を高めるためとみられる。
現在オランダ政府の管理下にあるネクスペリアは、オランダで自動車産業や家電製品に広く使用される半導体を大量に生産しているが、その大部分は中国でパッケージングされ、主に販売業者に供給されている。
関係者によると、ネクスペリアは中国部門との対立が早期に解決する兆しが見えないため、中国国外で代替のパッケージングパートナーを探しているという。
ネクスペリアはまた、中国部門から調達した製品の品質を保証しないと中国の顧客に警告している。
ネクスペリアの広報担当者は、中国部門の動きについてコメントを控え、中国国外でパッケージングパートナーを探す取り組みはこの対立以前から行われており、中国工場からの撤退の一環ではないと述べた。
品質に関しては、潜在的なリスクについて顧客に通知する必要があるとしたが、中国部門から購入すべきではないとまでは言わなかった。
ネクスペリアの中国部門はコメント要請に応じなかったが、このロイター報道を受け、対話アプリ「微信(ウィーチャット)」のアカウントを通じて声明を出し、同部門は独立して運営されており、「製造・事業活動は秩序ある形で進められている」と説明。また、オランダの親会社が製品の品質に関して「根拠のない疑念」を示したと非難し、法的手段を追求すると述べた。