
Timothy Gardner Max A. Cherney
[ワシントン/サンフランシスコ 27日 ロイター] - ライト米エネルギー長官と米アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)AMD.Oのリサ・スー最高経営責任者(CEO)はロイターに対し、エネ省がAMDと10億ドル規模のパートナーシップを結び、原子力からがん治療、国家安全保障に至るまでの大規模な科学的問題に取り組む2基のスーパーコンピューターを構築すると明らかにした。
ライト氏は、これらのシステムは原子力や核融合エネルギー、防衛・国家安全保障向けテクノロジー、医薬品開発の進歩を加速させると指摘。「これらのAI(人工知能)システムの計算を利用することで飛躍的に進歩が加速し、今後2─3年で核融合エネルギーを活用するための実用的な道筋が見えてくると信じている」と述べた。また「私の希望は今後5─8年で、現在では最終的に死に至るがんの多くが管理可能な状態になることだ」とも語った。
計画では「Lux」と呼ばれる最初のコンピューターが構築され、今後6カ月以内に稼働を開始。AMDのAIチップ「MI355X」をベースに、AMD製の中央演算処理装置(CPU)とネットワークチップも設計に組み込まれる。このシステムはAMDとヒューレット・パッカード・エンタープライズ(HPE)HPE.N、オラクル・クラウド・インフラストラクチャー、オークリッジ国立研究所 (ORNL)が共同開発している。
スー氏はLuxについて、この規模のコンピューターとしてはこれまで見た中で最も速い展開だと語った。
ORNLのスティーブン・ストライフ所長によると、Luxは現在のスパコンの約3倍のAI能力を発揮する見込み。
2基目のより高度な「ディスカバリー」は高性能コンピューティング向けに最適化されたAMDのAIチップ「MI430」シリーズをベースにORNL、HPE、AMDが設計。2028年に納入され、29年の運用開始が予定されている。