
[シンガポール 23日 ロイター] - 米国がロシア石油大手2社に制裁を課したことを受け、中国の国営石油大手は海上輸送によるロシア産原油の購入を停止したもよう。複数の業界筋が23日明らかにした。
米政府は22日、ロシアの石油大手ロスネフチとルクオイルに制裁を科すと発表し、ウクライナでの即時停戦に応じるよう求めた。
関係筋によると、中国石油天然ガス(ペトロチャイナ)601857.SS、中国石油化工(シノペック)600028.SS、中国海洋石油(CNOOC)、振華石油の4社は制裁を懸念し、少なくとも短期的に取引を控える考えという。4社はいずれもコメントには応じていない。
またインドの精製業者も、ロシアからの原油輸入を大幅に削減する見通し。主要な輸出先である中印が輸入量を減らせば、ロシアの原油収入を圧迫するとともに、中印が供給元を転換するため国際価格の上昇を促すことになりそうだ。
中国の海路によるロシア産原油輸入量は日量約140万バレル。その大半はティーポットと呼ばれる小規模業者を含む独立系精製業者による購入だという。
タンカー追跡調査会社ボルテクサ・アナリティクスは、中国国有企業のロシア産原油購入は今年1─9月で日量25万バレルと予想。一方、コンサルタント会社エナジー・アスペクツは50万バレルとし、ばらつきがある。
トレーダーによると、ロスネフチとルクオイルは中国向けの原油の大半を直接取引ではなく仲介業者を通じて販売。複数のトレーダーは、独立系精製業者は制裁の影響を見極めるために購入を一時停止する可能性が高いが、購入は継続するだろうと述べた。
また、中国はパイプラインで日量約90万バレルのロシア産原油を輸入しており、その全てがペトロチャイナ向け。複数のトレーダーによると、同社は制裁の影響をほとんど受けない可能性が高いという。