[19日 ロイター] - シティは19日、金価格の予想を上方修正した。今後3カ月で1オンス=3800ドルに達するとしている。
従来予想は3600ドルだった。金価格を短期的に押し上げる循環的な要因と構造的な要因があるとしている。
米国の労働市場の軟化が続いていることや、関税に起因する米国や世界の経済成長に対する懸念が、金価格を押し上げる循環的な要因となる見通し。
構造的な要因としては、米財政赤字やドルの地位に対する懸念のほか、連邦準備理事会(FRB)の独立性に対する懸念の高まりを挙げた。
「基本シナリオ(確率60%)では、金価格が数カ月以内に史上最高値の1オンス=3800ドルに達し、その後、2026年第1・四半期にピークを迎える。最終的には成長見通しが改善し、それに続き金からのローテーションが起きる」との見方を示した。
米国がスタグフレーションかハードランディングに直面した場合は、FRBの大幅利下げと金の投資需要の拡大により、金価格が数カ月以内に4000ドルに達する可能性があるとした。
ただ、残る関税交渉が速やかに進展し、地政学的リスクが和らぎ、米経済が持ちこたえた場合は、金融緩和の必要性が薄れ、金価格が3400ドルまで下落する可能性があるとの見解を示した。