
[28日 ロイター] - 国際貨物輸送大手の米ユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)UPS.Nが28日発表した2025年7─9月期決算は、米関税措置による貨物量の減少、小口輸入品に関税を免除する「デミニミス」措置の廃止が響き、前年同期と比べ減収減益だった。ただ、コスト削減の効果も見られ、1株当たり調整後利益は1.74ドルと、LSEGがまとめたアナリスト平均予想1.30ドルを上回った。
連結売上高は214億1000万ドルと、予想の208億3000万ドルに対しては上回った。調整後の連結営業利益率は10%と、25年4─6月期の8.8%からは上昇。一方、主力の国内部門は6.4%にとどまり、前期の7%から低下した。
事業に逆風が吹く中、UPSは利益率改善や取扱量の安定化を急いでおり、数百拠点の施設閉鎖や数千人の雇用削減などにより、25年に35億ドルのコストを削減することを目指している。こうした効果が出始めているとの見方もある一方、事前の市場予想が「非常に低かった」との指摘もある。
UPSは、1日当たりの平均配送量が2倍になるホリデーシーズンを前に、料金の値上げやコスト削減、利益率の高い配送業務を強化。合わせて利益率を高めるため、米アマゾンAMZN.Oの配送小包数の削減を進めている。
25年10─12月期の売上高見通しは240億ドル程度。平均予想は238億ドルだった。調整後連結営業利益率の見通しは11.0─11.5%。自社株買い計画への期待もあり、株価は午前の取引で約7%上昇した。年初からは28%程度下落している。